専門家：
大日向雅美(恵泉女学園大学 学長／発達心理学)
水無田気流(國學院大学 教授／社会学)

育児に自信が持てない、いい親になれないと悩み続けているママ・パパがたくさんいます。どうすれば、理想と現実のギャップに苦しめられず、自分らしく子育てができるようになるのでしょうか。
専門家のお2人から、メッセージをいただきました。

何を大事にするのか考える

学校などの子育ての場では、子どもを管理する面が強調されてしまい、「子どもをいい子にしないといけない」「子どもをおとなしくさせないといけない」といったプレッシャーが強いと思います。ですが、いちばん中心に考えることは、子どもたちが、自分たちの力でしあわせになれるような大人になること、親はその手伝いをしてあげることだと思います。世間の目から見た「いい親」になりたいのか、それとも、子どもが自分の人生を生きて、最終的にしあわせな大人になるための手助けができる親になりたいのか、そこを考える、ということだと思います。
（水無田気流さん）

「親としての自分」も揺れながら探していこう

最近、女子高校生に「自分らしく人生を生きましょう」という講演をしたのですが、講演を聞いた生徒から「先生にとって自分らしさとは何ですか？」と質問をされました。私はその質問で「この歳になっても、自分らしさはわからない」と気づかされたのです。生徒には「ごめんなさいね。私にも“自分らしさ”ってどんなものかまだわからないの。私もいつも自分らしさって何なのか、揺れながら探し続けているのよ」と答えたんです。
私は「親としての自分」というのも、子どもと一緒に探し続けていいと思います。気持ちが揺れてもいいのです。
（大日向雅美さん）