子どもがひとりっ子で、両親の目がひとりに集中します。そのため、一挙手一投足が目につき、ついつい注意をしてしまいます。例えば食事のとき、箸の持ち方やひじ付きなど、よかれと思って矢継ぎ早に言ってしまいます。娘は窮屈に感じていないのでしょうか?
(5歳の女の子をもつパパより)
いろいろな人間関係を体験できる工夫を
回答:坂上裕子さん 子どもが大きくなるまでに体験する人間関係は、大きく分けて3つのタイプがあります。 まず、親や先生との関係である「タテの関係」です。続いて、同世代の子どもたちとの対等な関係である「ヨコの関係」。そして、タテとヨコの関係が混在した「ナナメの関係」です。きょうだいは「ナナメの関係」にあたります。 ひとりっ子だと、「ナナメの関係」が少なく、どうしても「タテの関係」だけになってしまいがちです。そのため、いつも叱られ役になって、子どもは「何をやっても叱られる」という気持ちになってしまいます。ですが、例えばお人形さんのお世話をするという遊びで、「ナナメの関係」を疑似体験することもできます。もし気になるのであれば、いろいろな関係を体験できる工夫をしてみましょう。 私の子どももひとりっ子なのですが、何かを「平等に分ける」ことをよくやっていました。例えば、ケーキを買うときは1つにして、パパとママと子どもで3つに分けて食べるようにしていたんです。お菓子があると、今でも自分から「半分こにしよう」と言います。 このように、ヨコの関係・ナナメの関係は、親子のやりとりや、遊びの中でつくることができると思います。
ときには子どもの行動を見て見ぬふりも
回答:坂上裕子さん みなさんにも、大人の目を盗んで何かをしたという覚えがあると思います。「やっちゃいけない、怒られるだろう」とわかっていても、やってみようとする。そこから、子どもの好奇心が生まれ、いろいろな考える力が育つこともあります。子どもが「何かやっているな」と気づいても、見守ることがあってもよいと思います。 もちろん、子どもの安全を確保しないといけませんし、注意しないといけないこともあります。成長するにしたがって、どこまでは見守っても大丈夫かが変わっていくと思います。子どもの様子を見て、叱ったらどんな反応をするか考えてみましょう。叱るときも、頭ごなしに叱らずに、アプローチを少し変えて「何をやってたの?」と聞くなど、いろいろな関わり方があると思います。
子どもに考えさせる声かけを
回答:坂上裕子さん 親から注意されて、窮屈に感じているかもしれませんが、ひとりっ子であることと関係なく、叱られてばかりだと自分で考えなくなります。ときには、いつもとは違う角度で「どうしたらいいのかな?」と声をかけ、子ども自身が考えることができるような工夫をしてみましょう。そういう意味では、しつけをすることも、やりとりを楽しむことのひとつになると思います。
すくすくポイント
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