接種のあとの副反応が心配
子どもの予防接種のことで、パパとたびたび意見が対立します。パパは「保育園にも通っているし、感染もあるから受けた方がいい」といいます。私は正直、複雑です。ワクチンの副反応が心配なのです。
以前、ポリオの生ワクチンを飲んだことで麻痺が出たというニュースを見たことがありました。子どもが4種混合を受けたあと熱を出して心配になったこともあり、リスクをしょってまでワクチンを打たなくてもいいのではと思っています。
夫婦で話し合って、周りに副反応が出ている子もいなかったので、予防接種は受けてはいます。ですが、もしも何かあったらと思うと心配です。
(2歳3か月の男の子をもつママより)
副反応は起こりうることだけど頻度は極めて低い
回答:齋藤昭彦さん まず、ポリオのニュースは、ポリオが生ワクチンのときの話です。今は不活化ワクチンに変更になっているので、心配しなくても大丈夫です。 ワクチンを接種した後に、起こってほしくないことが起こることを副反応といいますが、これは起こりうることです。そのことは認識しておかなければなりません。しかしながら、その頻度は極めて限られています。ワクチンは、いろいろな形で、多くの検査をして、お子さんにとって安全で大丈夫だというものがつくられています。 熱が出るのも副反応のひとつです。いくつかのワクチンで、接種しておよそ48時間以内に熱が出やすいものが知られています。体の中に、何もないところに免疫ができる物質を入れるので、接種した場所が腫れる、赤くなる、痛くなるなどは起こりうることです。それは起こっても、自然に回復するので心配されてなくても大丈夫です。 また、「アナフィラキシー」というのがあります。ワクチンの成分に反応して起こる強いアレルギー症状のことです。接種してから30分以内、長くても4時間以内に起こることが知られています。体の中で、強い反応が起こり、それによって血圧が下がったり、気を失ってしまうようなことがあります。アナフィラキシーは非常にまれですが、起こりうる反応です。特に最初のワクチンを接種した後は、その反応が起こるかもしれないので、病院で30分程度様子を見てください。
<予防接種の副反応について> 予防接種の副反応は、ワクチンの種類によってそれぞれ違います。 例えば、おたふくかぜのワクチンでは「無菌性髄膜炎」という副反応があります。頻度は非常に低いですが、接種後3週間以内に、発熱やおう吐が続いたら、すぐに受診してください。 また、ロタウイルスのワクチンでは、5万接種から10万接種に1回程度、「腸重積(ちょうじゅうせき)」を起こす可能性が高くなることが知られています。もし、最初の接種から7日以内に機嫌が悪い、おう吐、便に血が混じるなどが見られたら、すぐに受診してください。 予防接種の安全性と効果のデータは世界中で蓄積されています。どのワクチンに、どのような副反応が、いつごろ出るのか把握されています。ほとんどの場合、治療などの対応ができるのです。
可能性が低いとはいえ自分の子に起こってほしくない。どう考えればいいのでしょう?
万が一のときに何をすればよいか確認する
回答:堀成美さん ワクチンは日本だけではなく世界中で接種されていて、そのデータが蓄積されています。まずは、その点を信用していただきたい。 接種して不安なまま家に帰ると、いろいろなことが不安に思えてしまいます。そのようなときは、「何を観察すればいいですか?」と確認しておきましょう。例えば、「熱が出やすいけど、2日以内に下がるから機嫌がよければそのままでいいですよ。」、「こういう状況になったら何時までだったらここに電話してください。その後は市のセンターに電話してください。」など、何をすればよいのかわかると少し安心すると思います。 また、副反応が心配かもしれませんが、接種せずに病気になったときの怖さも知っておいた方がよいですね。
後遺症などのリスクが高い
回答:齋藤昭彦さん 最近「おたふくかぜによって、この2年間で約300人の難聴の患者さんが出た」という報道がありました。ワクチンを接種していれば、そのようなことは起こらないのです。ワクチンによって難聴になることはありません。難聴など起こりうる後遺症をできるだけなくしましょう。そういう手段がせっかくあるわけですから、しっかりと使っていただきたい。
すくすくポイント
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