母乳育児を続けてきた親子にとって、大きな節目となるおっぱい（授乳）とのお別れ。赤ちゃんが生まれたときから生活の一部だったおっぱいをやめるのは、不安や寂しさが付き物ですよね。
特に初めての育児の場合、いつどのように卒業させるかは、ママにとって悩ましい選択でしょう。この記事では、おっぱい卒業の時期や卒乳・断乳などの方法について、ママ自身が納得して選べるようなヒントをいくつかご提案します。

いつまで続けていいの？卒業の目安は？

「おっぱい、いつまで続けていいの？」という疑問に対しての答えは一つではありません。卒業の時期はまさに十人十色。1歳前にある日突然自分から飲むのをやめてしまう子もいれば、幼稚園に入るときにママが断乳させてやめる子もいます。
どんな形であっても、その親子にとっては正解であり、おっぱい卒業のタイミングなのです。

子どもとママにとってベストな卒業タイミングを迎えるために

先輩ママに体験談をきいたり、母乳外来などで相談するなどして、ママが納得のいくタイミング・方法を探ってみてください。
例えば、母乳相談では何歳まで、と年齢を決めずに「一人で歩ける」「堅さのあるものが食べられる」など、子どもの成長過程をおっぱい卒業の目安としているところもあります。

また、授乳回数が少なくなり、同時におっぱいも出なくなってきて、ママ自身が「そろそろおっぱい必要ないのかな」と体で感じる場合もあるようです。子どもをずっと見守ってきた“ママの勘”も生かしてくださいね。

世界的には、2歳以上までおっぱいOK

日本では十数年前までは母子手帳の中に「断乳」という項目があり、「1歳を過ぎたら離乳」という指導が行われていました。その名残でいまだに「1歳になったらなんとなく断乳」を実行しているママも多いようです。周りから「そろそろやめたら？」などプレッシャーをかけられると、おっぱいを続けていいのか不安になりますよね。

科学的根拠に基づいたWHO（世界保健機構）のガイドラインでは、「母乳は2歳以上まで、頻繁に、子どもの要求に応じて与えましょう」と、2歳までの授乳を推奨。その理由として以下の4つを挙げています。

１）母乳は補完食よりも質の高い栄養素を含んでいます。

２）赤ちゃんを守ってくれる防御因子も与え続けることができます。

３）母乳は病気の時の重要なエネルギー源と栄養源になります。

４）母乳育児は急性の病気のリスク、そして慢性の病気のリスクを減少させることができます。

「WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」第3章　補完食　3.1補完食の指導原則」より
翻訳引用元：ちょっと理系な育児ブログ [母乳を2歳以上まであげるべき4つの理由]

WHOとユニセフが公表している卒乳時期の世界平均は4.2歳。子どもが自然に求めなくなるまで母乳を続けたいと考えているママは、安心して飲ませ続けていいのではないでしょうか。

ミルクへの切り替えも立派な選択肢

母乳が出にくい体質、夜中に起きるのが辛い、子どもを人に預けられない、などの理由で授乳が精神的・肉体的に負担になっているママもいます。
また、仕事へ復帰するママは、保育園などの協力体制が整っていない場合、入園前にミルクに切り替える必要が出てきます。母乳が続けられなくなったら、ミルクに切り替えるのも立派な選択肢。

最近は母乳で育てている方が多いので、ミルク育児をすることに抵抗を感じてしまうママもいるようですが、ミルクでも母乳でも、「子どもに健康に育って欲しい」というママの想いに変わりはないですよね。何より、子どもにとってはママが笑顔でいることが一番です。

 
〈次回は「卒乳 or 断乳？それぞれのメリット・デメリット」をご紹介します〉

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