育児と介護、どちらを優先させたらいいの?
仕事をしながら、育児と介護のダブルケアをしています。一人息子は元気いっぱい。介護しているのは同居している義理の母(84歳)です。子どもの世話をしたり、義母を見たりで、どちらも目を離すことができません。
子どもに「待って」と言う回数がすごく増えました。子どもに手がかかる分、義母が我慢してくれていることがたくさんあると思います。
介護については実家の父(84歳)もみています。兄と同居していますが、週に1、2回は様子を見に行きます。介護サービスをすすめてはいますが、体が動くからまだ大丈夫と思っているようです。でも、大切な薬を飲まないままだったり、心配が尽きません。
仕事に行って、家事をして、子どもの世話をして、義理の母と実家の父のお世話をするのに、圧倒的に時間が足りないのが一番の悩みです。
どちらかを優先すると、一方がおろそかになってしまいます。忙しくてイライラして、パパや子どもにきつくなってしまうこともあります。明るく、優しいママでいたいと思うのですが、できない自分を責めてしまうこともあります。
(1歳10か月の男の子をもつママより)
一人で抱え込まない。パパや周囲の人と一緒にやって合格点でいい
回答:大日向雅美さん なかなか優先順位をつけられないですよね。十分にできていないと思い罪悪感を抱えてしまうかもしれません。でも、本当によくやっていらっしゃると思います。だからこそ、まず自分の育児や介護に自信を持ってください。介護を受ける側も「ごめんなさい」と言われ過ぎると逆につらくなってしまいますよ。 一人で抱え込まないで、パパや周囲の人と一緒に向き合っていきましょう。一緒にやって、トータルでみて合格点であればいいのです。
介護は4人以上で。介護される側にも協力してもらう
回答:植木美子さん とてもがんばっていることが伝わって頭が下がる思いです。 介護は4人のチームでやると、うまくいきます。一人で介護するのではなく、ケアマネージャーや、地域のお知り合いにも頼りましょう。また、介護される側もチームのメンバーだと考えてみてください。例えば、実家の父親に「私を助けるために、デイサービスを利用してみて」と話してみましょう。父親が介護チームの一員として“自分自信の介護”をすれば、ママの負担も減ると思います。
ダブルケアでイライラしてしまうとき、どうすればいいの?
きつく言ってしまったら謝る。パパにつらさを知ってもらう
回答:大日向雅美さん イライラするのは当たり前ですよ。子育ても介護も、決してきれいごとではありません。24時間、日常茶飯が絶え間なく続く中で、ときには声を荒げてもいいんです。私たちは人間なのですから。 声を荒げてしまったときは「ごめんなさい、ちょっときつい言い方をしちゃったわね」と謝りましょう。そして、パパに「最近、私きついのよ!」などと、自分のつらさを伝えるために、もっと叫んでいいと思います。
パパはどうしたらいい?
助けだけではなく、分かち合いを
回答:大日向雅美さん パパが家事などを協力することで、ママの負担は減ります。 ですが、ママが求めているのはヘルプ(助け)だけではなく、シェア(分かち合い)ではないでしょうか。 パパが「言ってくれたら手伝うよ」と言うことがありますが、ママは言えないときもあるのです。パパへの遠慮だけではなく、切羽詰まったときは自分自身でも整理できなくてつらいんです。それを一緒に分かち合ってほしい。 例えば、ママがどんな時間を過ごしているのか、1日の流れを書き出してみましょう。それをお互いに確認して、話し合って、分かち合いの時間を持ってみましょう。
パパは朝が早く、夜の帰りが遅いので、どうしても話を聞いてもらえる時間が少なくなります。勤務も慌ただしいので、義母の介護をすべて私がやらなくてはいけないという状況です。パパに話を聞いてほしいと思っています。
(3歳9か月と1歳6か月の男の子をもつママより)
パパやパパの兄弟・配偶者で介護を分かち合う
回答:大日向雅美さん パパや、パパの兄弟家族にも介護の義務があります。「私もちゃんと介護するけど、パパも、パパの兄弟や、その配偶者も、みんなで分かち合いましょう。そうしないと、後悔することになりますよ。」と伝えましょう。 そして「このままだと、私自身が潰れてしまう、私が潰れたら家庭はどうなるの?」など、強くはっきりと心の叫びを伝えましょう。
悩んでいたママはその後?
専門家のアドバイスを受けたママがその後どうなったか、放送終了後の様子を「質問スペシャル(3)」でご紹介します。
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