この春「おかあさんといっしょ」のうたのお兄さんを卒業された、横山だいすけさん。9年間を振り返りながら、笑いあり涙ありの思い出を「すくコム」に語ってくださいました。2回にわたるインタビュー記事、今回は「ご自身の成長と、これからの挑戦について」お届けします。
子どもに飛び込んでいけるタイプではなかった
− うたのお兄さんになりたての頃はどんな気持ちでしたか?
うたのお兄さんになって初めての研修の日、「君はどんなお兄さんになりたい?」と聞かれました。ぼくはその問いに、「元気いっぱい、太陽のようなお兄さんになりたいです。みんなを照らしてあげられるような」と答えました。
そのときの自分といえば、子どもは好きだけれど、どちらかといえば「どう接すればいいのかな」と、ためらってしまうところがありました。子どもに対して思いきり飛び込んでいくことができなくて。ぼくが思い描く、理想のお兄さん像とは違っていたんです。
その日から、スタジオに来てくれる45人の子どもたちと、限られた時間の中でどんなふうに関わっていけるかな、という模索と挑戦が始まりました。
「おかあさんといっしょ 最新ソングブック わらうおばけ」収録の「やくそくハーイ!」より
− 9年間を経て「変わったな」と強く思うことは何ですか?
子どもたちの個性はさまざまで、45人が集まったときに何が生まれるのか、やってみるまで毎回わかりません。
そんな中で経験を重ねるうちに、だんだんと自分の中で見えてきたことがありました。だいすけお兄さんは元気いっぱいのお兄さんだけど、その元気を子どもに押し付けるんじゃない、子どもが元気になれるきっかけを引き出せるお兄さんに自分はなりたいんだと感じるようになってきたのです。
この経験は本当に、ぼく自身の「人との関わりかた」を大きく変えました。
あいさつひとつで、人とつながることができる。反対に、距離を作ってしまうこともある。スタジオでの子どもたちとの関わりの中で教えてもらったことは、自分の人生、これからの生きかたに響いてくるだろうなと感じています。
いつか自分がお父さんになったら
− 夏には「おかあさんといっしょ」のスペシャルステージにご出演されます
スペシャルステージは、スタジオ収録とはまた違う楽しさがあって。1万人規模の大きな空間を音楽でいっぱいにできる、ぼくらの歌声、お客さんの歓声で埋められる瞬間というのは、言葉にできないくらい気持ちがいいんです。
そのステージで、卒業してもまた歌えることがすごくうれしいですね。
毎年、何が起きるかわからなくて、ぼくも台本をもらうときはドキドキわくわくするんですよ。「今年はどうなっちゃうんだ〜?!」って。
− 大きなステージでも、お客さんの反応はわかるものですか?
それが、けっこうわかります。子どもたちが歌ったり踊ったり楽しそうにしている様子も見えます。
そして、親子で歌を口ずさんだり、笑顔を見せ合ったりしている場面が見えたときは、なんだかとても幸せな気持ちになります。
「あ、今、家族の思い出がひとつ生まれた瞬間なんだ」と。そんなあたたかいシーンを目にすると、歌っているぼくも一層気持ちがこもってしまい、泣きそうになるのを、ぐっとこらえることもありますね(笑)。
「おかあさんといっしょスペシャルステージ ~みんないっしょに!空までとどけ!みんなの想い~」より
− 新しいスタート、表現者としての今後がまた楽しみです!
うたのお兄さんは卒業しましたが、この9年間で見つけた「うたのお兄さんのありかた」は、表現者としてどうありたいかということに、そのままつながっています。子どものための音楽をやっていきたい・・・その想いを軸に、さまざまな仕事に挑戦していけたらいいですね。
「作詞や作曲はしないのですか?」と聞かれることもあるのですが、今はまだ、新しい一歩を進み始めたばかり。どんな仕事で、どんな新しい面が見えてくるのか、自分でもわくわくしている段階です。
でも、もしいつか自分が親になるときが来て、そのとき「おかあさんといっしょ」を思い出し、何か言葉があふれたり、感じたことがメロディになったらすてきですね。そんな想いは持っています。
(2017年4月24日取材)
▼こちらの記事もぜひごらんください。
横山だいすけさん 特別インタビュー【1】歌の思い出 〜 かっぱの秘密、「ここにいるよ」への想い
だいすけお兄さんがゲスト出演する「おかあさんといっしょスペシャルステージ2017」
イベントの内容、プレイガイド情報などは、こちらのイベント特設ページでご覧ください。
PR