乳幼児の肌を守ろう(1)口まわりのスキンケア

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2018/05/21

出典:まいにちスクスク[放送日]2018/05/21[再放送]2018/05/28

講師:馬場直子(神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長)
赤ちゃんのお肌って、プルプル、モチモチ! うらやましい!
でも、スキンケアいらずと思わないで! 小さい頃からしっかりスキンケアすることは大事なんです。
すべすべに見える乳幼児の肌は、とてもデリケートで傷つきやすいものです。
普段の生活の中でできるケアを一緒に見て行きましょう。

乳幼児のお肌について知ろう

赤ちゃんは、胎内ではあらゆる刺激から守られています。
ところが、生まれると、赤ちゃんの肌は空気の乾燥やほこりや食べ物など、たくさんの刺激にさらされてしまいます。

乳幼児の皮膚はとても薄く、新生児の場合、大人の半分しかありません。
また、皮脂分泌量が圧倒的に少ないため、乾燥しやすい、かぶれやすい、炎症を起こしやすい、という特徴があります。

口まわりのケア

口まわりは、外からの刺激を受けやすく、特に炎症を起こしやすい場所です。

口まわりには、どうしても食べ物がつきます。食べ物がついたとき、口まわりがただれていると、そこから食べ物の成分が入ってきてアレルギーを起こしやすくなります。
口まわりのケアは、食事をする前から行うのが効果的です。

<食事の前のケア>

食事の前に、ワセリンなどの保湿剤を、口まわりに塗っておきましょう。

ワセリンには、皮膚の表面に保護膜をつくる働きがあります。
角質層の水分の蒸発を防ぐことで、皮膚の乾燥を防ぎ、外部の刺激から肌を守る効果があります。

<食事の後のケア>

食事の後は、ぬれたティッシュや、ベビーオイルで湿らせたコットンなどでケアしましょう。

こすらずに、やさしく押し拭きします。

押し拭きした後は、再度、ワセリンなどの保湿剤を塗って肌を保護してあげてください。

ママからの質問 スキンケアのしすぎは肌を弱くする?

スキンケアによって肌が弱くなるということはありません。
赤ちゃんの肌は、乾燥しやすくバリア機能が弱いので、さまざまな刺激を受けやすくなっています。
炎症を起こしてしまってから強い薬を塗るよりも、保湿剤を塗って予防するのが大切です。

乾燥肌に注意しよう

乾燥肌を放置しておくと、外からの刺激が入りやすくなり、かゆみに敏感になります。

健康な肌の場合、かゆみの神経は表皮細胞の下までしかきていません。

乾燥肌の場合、外から入ってくるいろんな刺激によって、表皮細胞から神経を伸ばす物質が出ます。そのため、かゆみの神経が表皮内にまで伸びてきて、かゆみにとても敏感になります。

この状態では、外からのわずかな刺激でも、かゆみを感じてひっかいてしまいます。ひっかくと炎症が起こり、炎症が起こるとまたかゆくなる、という悪循環に陥ってしまいます。

よだれかぶれのケア

口まわりの皮膚のトラブルといえば「よだれかぶれ」です。
よだれによって、口まわり一帯が赤くなったり、ブツブツができたりする症状です。
特に、生後3か月を過ぎると皮脂の分泌が減って、起こりやすくなります。

よだれかぶれになったら、こまめに汚れを拭きとり、薬を塗ることが大切です。

ぬるま湯でぬらしたタオルで、こすらないように汚れを拭き取ります。

汚れと一緒に皮脂も落ちてしまうので、保湿剤で肌を保護しましょう。

赤みがひかず、かゆそうなときは薬が必要になります。皮膚科か小児科を受診してください。

スキンケアのポイント

乳幼児のスキンケアで、大切なポイントは2つです。
こすらず丁寧に洗うこと。そして、そのあとしっかり保湿することです。

これらのことを意識するように心がけてくださいね。


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