避難所での子どもとの生活は?
実際に避難所で生活をしたママの体験談
2016年4月に起こった熊本地震で、実際に避難所生活をしたママにお聞きしました。
地域の人との助け合いがある一方、避難所生活には子連れならではの苦労もあるようです。
<1歳6か月の女の子をもつママ>
家屋の倒壊は免れたものの、家具は倒れあらゆるものが散乱してしまったため、当時9か月だった娘を連れ、2週間の避難所生活をすることになりました。
・良かったこと
避難している方々の中には、自宅が全壊して帰る場所がない人たちもいました。その方たちが、娘に勇気づけられて毎日癒されると言ってもらえたのはうれしかったです。
・苦労したこと
避難所にいるお年寄りはとても早く寝てしまわれるので、グズるたびに外に出て寝かしつけることを夫婦で繰り返しました。赤ちゃんなのに十分な睡眠がとれないことに困りました。
<女の子2人、男の子1人をもつママ>
家屋の倒壊は免れたものの本震によって大きな被害を受けたため、地震のあった夜から近くの小学校へと避難しました。
・良かったこと
避難所では、校長先生が率先して毎朝みんなでラジオ体操をしたり、小中学生も積極的にボランティア活動をしたり、一体感のある、温かい避難所でした。
小さい子を抱える親はなかなかボランティア活動に参加できず、心苦しかったのですが、トイレ掃除などは夜11時まで募集があったので、子どもを寝かしつけてから、参加するようにしていました。
・苦労したこと
避難所生活、7日目の朝、一番下の息子が体育館内を走り回ってしまいました。
主人が急いで追いかけて連れ戻してきたところで、おじさんに怒鳴り込んで来られ、「タバコを外でしか吸えなくても我慢しているのに、そういうことをするならここで吸ってやる」と言われました。私を含め、周りの人たちもショックを受けている状態でした。うちを含めた子連れ家族4組はいたたまれなくなり、その日のうちに避難所を出ることにしました。
子連れの避難者への対応
熊本県益城町は、2016年4月に起こった地震でもっとも被害が大きかった町のひとつです。
益城町では、ピーク時には人口の3分の1にあたる1万人以上が避難していました。
そのような想定外の災害が起こった益城町で、子連れの避難者へはどのような対応をとられていたかを、実際に避難所を運営されていた方々にお聞きしました。
・丸山 伸二さん(益城町役場 福祉課 主査/避難所対策チームの一員として避難所を運営)
今回のような長期の避難が発生するような災害は想定していなかったため、お子さまや乳幼児、要配慮者の世帯向けの態勢や準備は特段なかったように思います。
そのため、態勢のひとつとして部屋を区切ることが考えられますが、部屋を区切ってそのような方たちだけが入ることができるスペースはありませんでした。
・冨森 靖博さん(熊本YMCA/益城町総合体育館で避難所を運営)
授乳が必要な方や、夜泣きをする小さいお子さんがいるご家族には、夜を過ごせる別スペースを設けました。
ガマダス隊を子どもたちで作り、トラブルが起こりがちな年配者と子どもの関係も和みました。
「ガマダス」は熊本弁で、「がんばる」という意味です。ガマダス隊は、届いた食事を高齢者の方々に届けたり、フロアを拭き掃除をしたりと、避難所の人たちのためにできることを手伝っていました。小学生でも他人のためになりたいという感情を持っています。子どもたち自身が地震の体験を通して、そのような自分自身の一面に気づいたこともたくさんありました。
地震が起こったとき子どもが保育園にいる場合、親はどのように動けばいい?
すくすくポイント
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