子育てママの体のケア~腰痛~
女性の体は出産のとき、赤ちゃんが産道を通りやすいように骨盤がゆるみます。その後、ホルモンが正常に戻ると骨盤も元に戻りますが、育児や家事で無理な姿勢を続けてしまうと筋肉や骨に負担がかかり、腰痛を感じるという方は多いです。毎日の生活の中でなるべく良い姿勢を心がけ、腹筋・背筋を鍛えてうまく体を支えるようにすることが大切です。
講師:笠井靖代(日本赤十字社医療センター 第三産婦人科部長) 吉岡マコ(産後セルフケアインストラクター) 子育てにがんばるママたちは、毎日の疲れを溜め込みがち。今週は、体の不調を楽にして元気に子育てをするための正しいセルフケアの方法をご紹介します!今回は腰痛の予防とケアの方法をマスターしましょう!
腰痛を和らげるストレッチ
悪い姿勢を正し、正しい姿勢を保つことで筋力を鍛えることができます。運動がなかなかできない子育て期は日常生活の中でエクササイズしていきましょう。
(1)仰向けに寝て両手で両膝を抱え、顔に膝を近づけます。
(2)そのまま前後に体をゆらし、背中と腰が床に当たるようにしてほぐします。
(3)次に左右にゆらします。腰のあたりを床でマッサージします。 これを、前後・左右、それぞれ5~6回行います。
「正しい姿勢」で腰痛解消
腰痛解消には日頃からよい姿勢を心がけることが大切!まず下腹部とその真後ろのあたりに手を当ててみましょう。手を当てている部分(骨盤)が床に対して垂直になった状態が「正しい姿勢」です。骨盤が後ろに倒れて猫背になったり、前に倒れて腰が反ったりしてしまうと腰痛の原因になります。
◎骨盤を立ててスクワット
骨盤を垂直に立てた状態で、立ったりしゃがんだりのスクワットの動きをすると、腹筋や太ももの筋肉が鍛えられ、腰痛の予防になります。
正しい姿勢を心がける
横座りや、腰を突き出して片手で子どもを抱っこするなど、日常で何気なくやっている姿勢が腰痛を引き起こす原因になります。
◎座るときは左右対称に
足を左右どちらかにずらした「横座り」はバランスが悪く、腰を痛めます。床に座るときは、あぐらなど背筋を伸ばした左右対称の姿勢を心がけましょう。
◎上半身をまっすぐ骨盤の上に乗せる意識で
赤ちゃんを抱っこするとき、腰を突き出して子どもを乗せる抱き方は、骨盤がずれてしまい、腰痛のもとになります。骨盤の上に自分の上半身が乗っているのを意識しながら、なるべくまっすぐな姿勢で抱っこしましょう。
◎荷物を持ち上げるときは近寄ってしゃがむ
荷物を持ち上げるとき、背中を丸めて前屈みになるのも腰を痛める原因に!荷物の近くまで寄り、一度しゃがんでから骨盤を起こし、すっと上に立ち上がるようにしましょう。
腰痛をラクにするカギ「あたためる」
女性の腰痛の原因のひとつが、「下半身の冷え」!「頭寒足熱」という言葉があるように、足を十分にあたためると血液の循環が良くなり、腰痛の緩和にも役立ちます。 レッグウォーマーでふくらはぎをあたためます。腰回りははらまきで保温。冷えを感じる人は夏場もつけるといいでしょう。
特別な運動ができなくても、日常生活で姿勢を気をつけることが腰痛を解消する近道です。気づいたときに心がけてみてくださいね。
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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