「雨はどうしてふるの?」などの素朴な質問
今回は、「どうして雨はふるの?」「なんで空は青いの?」などの答えにくい素朴な質問について、対応のヒントを子育ての専門家に伺います。
講師: 汐見稔幸(白梅学園大学学長・教育学) 岩立京子(東京学芸大学 幼児教育分野 教授) 子どもから思いもよらない質問をされて困ったこと、ありませんか? そこで、子育ての専門家から、子どもからの手ごわい質問への「対応のヒント」を教えていただきました。
なぜ素朴な質問をするの?
3歳~4歳にかけて「質問期」と呼ばれる時期が来ることがあります。
今まで自分は知っていると思っていたけれど、改めて考えてみると、「何でだろう?」という新たな疑問に気づくようになるのです。
また、いろいろな質問をするのは言葉の遊びを楽しんでいるということもあります。
(汐見稔幸さん)
どう答えたらいいの?
大人はちゃんとした理由を答えなくては、と思いがちですが、子どもの方はちゃんとした答えが知りたいわけではありません。
むしろ「ファンタジックな世界」を連想できるような答えをしてあげるといいでしょう。
例えば、「どうして雨はふるの?」と質問された場合、
「さっき草を見たら、あまり雨がふらないから、水がもらえなくて元気がなかったんだよ。それを神様が知って、なんとか水を飲ませたいと思って雨をふらせてくれているんじゃないかな?」
など、「想像力がかき立てられるような答え方」をするとそれなりに納得することがあります。
(汐見稔幸さん)
「なぜ雨は降るの?」に正確な説明はしなくていい?
「雨」を説明しようとすると、まず空気について説明しなくてはならなくなり、余計に疑問を増やしてしまいます。
そこで、「雨が降るはこういう目的なんじゃないの?」など、「理由より目的」を答えると、子どもたちの想像力がふくらんで納得することがあります。
(汐見稔幸さん)
子どもが成長すると答え方は変わる?
発達によって変わってきますが、「どうして空は青いの?」と質問された場合、小さい子どもの場合は「黄色いお空も、オレンジ色のお空もあるよね。
いろいろな服を持ってるんだね」という答えでもいいと思います。
ただし、子どもが大きくなって「空は服なんて着ないよ」という風に言ってきたら「じゃあ調べてみようか」と一緒に考えるようにして、質問すること自体は肯定してあげることが大切です。
(岩立京子さん)
子どもが答えに納得しなかったら
子どもが答えに満足していないようであれば、違う答えを考えていいと思います。
「不思議だね、何でだろうね」と子どもの質問を受けて、一緒に考えるようにしてみましょう。
(岩立京子さん)
「質問」をきっかけに、親子で「一緒に考える」ことで、「もっと知りたい!」思えるようになり、「新しいことに興味を持つ」という循環ができるといいですね。
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