じぶん・ともだちを考える絵本【親子で楽しむ絵本 2016年11月号】
11月20日は「世界子どもの日」。子どもの人権を守ることを定めた「子どもの権利条約」が、国連で採択された日です。そこで今月は、子どもたちが「じぶん」や「ともだち」を考える手がかりになってくれそうな4冊をご紹介します。日々子どもと向き合う、ママやパパにもぜひ読んでほしい作品ばかりです。
「きみがうまれたとき」の静かな感動
作:市川宣子
絵:矢吹申彦
出版社:福音館書店
読み聞かせのめやす:4才から
「きみが うまれたときの はなしを しようか」。そんな一文からはじまるこの絵本。ある朝マンションの前にどっかりと座っていた1匹の恐竜と、子どもの誕生を待つお父さんの物語。1人と1匹のふしぎな出来事を通して、いのちが生まれるときの静かな感動が描かれています。読めばきっと誰もが、“じぶんが生まれた日”に思いを馳せることでしょう。
ぼくだけのことって何だろう?
『ぼくだけのこと』
作:森絵都
絵:スギヤマカナヨ
出版社:偕成社
ようたくんはきょうだいでひとりだけ、笑うとえくぼができます。家族で、仲良しグループで、クラスで、学校で、町でひとりだけの、“ぼくだけのこと”。世界中にたくさん人がいるなかで、ぼくだけのことって何だろう? と考えてわくわくする、じぶんを見つめる1冊です。
ぼくときみは似ているけど違う
『おんなじおんなじ』
作・絵:多田ヒロシ
出版社:こぐま社
帽子も靴も、持っているおもちゃも、痛いときに泣いちゃうのもおんなじ。でも違うところもある。そんな、ぼくときみの「同じ」と「違う」を、やさしい言葉で楽しく描いています。少しずつまわりの子どもとの関わりがはじまる、1才〜2才ごろの小さなお子さんにもおすすめです。
ひとりぼっちでは生きてゆけないから
『ともだち』
作:谷川俊太郎
絵:和田誠
出版社:玉川大学出版部
「ともだちって…」と、1ページにひとつ、短くつづられる詩。じぶんにとっての“ともだち”を考えるきっかけをくれる絵本です。「ともだちなら たびにでたら えはがきを かこう」。いつでもたくさんの人とつながれる時代だからこそ、新鮮に響くメッセージが詰まっています。
わが家のむすめが自信をもつ「ぼくだけのこと」は、クラスの女の子のなかでひとりだけ、「髪が耳よりも上なこと」。絵本やさまざまな経験を通して、じぶんのすてきなところ、ともだちのすてきなところに、たくさん気づける人に育ってほしいです。
この本を選んだ人
地域文庫で活動する絵本好きな母のもとに育ち、サラ・ミッダの絵本『おとなになること』にあこがれて美大へ進学。イラストレーター&ライターをしながら、自身の出産後は日々子どもとの絵本読み、絵本作りを楽しんでいる。
たくさんの絵本に親しんだ経験から、心に響く作品をセレクトして紹介します!
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