ごはんのときの「子育てコトバ」
ポイントは、「ママの気持ちを伝えること」と「興味をそそるコトバ」です。
講師:井桁 容子(東京家政大学ナースリールーム 主任保育士) 「早くしなさい」「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」といった、普段子どもに対して何気なく使ってしまう言葉。 しっかりと子どもに伝わっているのでしょうか。 今回は、言葉を理解できるようになった3歳前後の子どもによく伝わる「子育てコトバ」を考えます。
ごはんのときによく言ってしまう言葉(1)
「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ!」
子どもがご飯を食べ進めてくれないときに、言ってしまう言葉ですよね。
<言い換え術>
「いっぱい食べたら、パパみたいに大きくなれるよ、楽しみだね」
「お熱が出たりしたときに、食べたにんじんさんが応援してくれるんだって」
「お腹に入ってないと応援してくれる人がいなくなっちゃうから、食べてくれないとママ心配だな」
などといった言葉で、食べないことに対して、「心配している」というママの気持ちを伝えてあげましょう。
子どもは、食べないと心配なママの気持ちがわかることで、「叱られるから仕方なく食べる」ことは無くなると思います。
子どもを叱るのではなく、ママの気持ちを伝えるようにしてください。
また、食事は楽しく食べることが大切です。
食事が楽しいと、子どもは苦手なものも食べたくなります。
逆に、食べることが義務になってしまい楽しくなくなると、子どもは食卓に座るのがいやになり、食事がつらくなります。
楽しい食事になるように心がけましょう。
ごはんのときによく言ってしまう言葉(2)
「せっかく作ったのに食べてくれないと悲しいな」
子どもが食べ残してしまったときや、食べ進めてくれないときに言ってしまう言葉ですよね。
<言い換え術>
子どもはママの言葉に敏感です。
「このごはん、おいしい魔法をかけてあるのに残念だな~」
「ママが子どものときに大好きだったおかずを作って見たんだよ」
といった、子どもの興味をひく言葉で食事に誘ってみましょう。
そのようにすると、子どもも「ごはんを食べたい」という意欲がわいてくることもあります。
また、
「おいしくなる魔法がかけてあるから、魔法がとけないうちに食べないともったいないよ」
「にんじんのお父さんと赤ちゃんが手をつないで待っているよ」
「じゃがいもおじさんが歌を歌ってまってるよ!」
というように、食事に対して、少しユーモアのあるイメージ付けをすることもオススメです。
実は子どもは、ママが「ご飯を食べてほしい」と思っていることを知っています。
そのため、ママがおもしろくしようとしてくれたら「それなら食べてもいいかな」と、子どもはママの努力を認めてくれます。
子どものごはんにはとても手間をかけているため、食べてくれないとママも悲しい気持ちになりますよね。
しかし、だからといって食べることを子どもに強制させてはいけません。
子どもがつらくなってしまいます。
幼児期は、さまざまな味に馴染む時期で、出されたものを全部食べることが大事な時期ではありません。
この時期は、食事を嫌いにさせないことが大切ですよ。
「食事が楽しい」という雰囲気を作るには、ママがおいしそうに食事をすることも大事です。
子どもは「ママと同じ気持ちになりたい」とごはんに興味を持つこともあります。
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