食べなくても、食べ過ぎでも~栄養とおやつの不安~

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第3回 食べなくても、食べ過ぎでも~栄養とおやつの不安~

img_vol3_01子どもにはしっかりと栄養のあるものを食べさせて、すくすくと育って欲しいですよね。
でも子どもは、せっかくつくったごはんを食べてくれなかったり、好き嫌いが激しかったりと、親のイメージ通りにごはんを食べてくれないこともあります。そんな時、栄養面の心配をすることもあるのではないでしょうか。
また難しいのが「おやつ」。おやつを食べすぎてしまって、ごはんを食べてくれない!なんてこと経験したことがあると思います。

今回は、NHK育児番組「すくすく子育て」の解説から、「栄養とおやつの不安」について確認しましょう。解説をいただいたのは、こちらの方々です。
太田百合子さん(こどもの城小児保健クリニック 管理栄養士)
井桁容子さん(東京家政大学 ナースリールーム主任保育士)

すごく運動するのに、食が細い。栄養は足りているの?

img_vol3_02赤ちゃんは元気いっぱいに動き回っていると、元気に育っているなと安心しますよね。
でも、元気に動き回るのに食が細くて、なかなか「食べる量が増えない」という心配をされているママもいるのではないでしょうか。食事の量と栄養、そして「子どもが食に興味を持つ食べさせ方」について確認してみましょう。

【大人と同じ料理を取り分け、食への関心を引き出して。】
(解説:太田百合子さん)
身長と体重の増え方が「身体発育曲線」にだいたい収まっていれば、基本的には問題ありません。また、曲線の帯からちょっと外れていても、曲線のカーブに沿ってだいたい発達しているようであれば、その子なりに成長していると言えます。
食事に関しては、1歳くらいは手づかみ食べの時期。たとえばごはんを出すときは、ごはん粒が手についたりベトベトするのを嫌がる子もいるので、ラップにくるんで小さなおむすびにしたり、じゃこやふりかけで塩気をプラスするなど、食べやすくする工夫も大切です。
また大人と同じものを食べたがる時期ですから、大人の料理を取り分けて、「おいしいよ」と声をかけながら一緒に食べるようにすると、食べることへの興味もわいてくると思います。食事を食べない分をミルクで補うのは、ある程度はOKですが、少しずつ減らして固形物をとるようにしていきましょう。

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ごはんを食べなくなるので間食はやめるべき?

img_vol3_04子どもの成長とともに運動量も増えてくると、食事だけでなくおやつの量も増えていきますよね。でも、おやつをあげ過ぎてしまうと、ごはんを食べなくなったりする場合もあります。子どもはおなかをすかせておやつを欲しがりますが、おやつとごはんのバランスをどう保つべきなのでしょうか。

『量を調整し、我慢することもおぼえさせて。』
(解説:太田百合子さん)
子どもにとっておやつは、栄養を補給するという役割だけでなく、食の楽しさを感じさせる役割もあります。おやつをやめる、というのではなく、まずは子どもの様子を見ながら1回の量を決めて与えましょう。あとでごはんが食べられるように、「今はこれだけね」と、子どもに少し我慢させることも大切です。また食事については、1回の量や栄養をあまり気にしすぎず、1週間程度のスパンの中でトータルに必要な分がとれていれば大丈夫と考えましょう。
『「ゴネたらくれる」と思わせない』
(解説:井桁容子さん)
「ゴネれば大人が言うことを聞いてくれる」と子どもに思わせてしまうのは、やはり問題です。また「今日だけよ」と言いながら、次の日もあげてしまうことは、子どもからすると大人がウソをついたことにもなります。大人は子どもに対して一貫した態度をとることが大切です。親としては「なるべく泣かせないように」と考えてしまいますが、子どもは泣くことで自分の気持ちを整理している場合もありますので、子どもが泣くことをあまり怖がり過ぎないことも大切です。

年齢にあったおやつの与え方は?

img_vol3_05きょうだいがいて、上のお子さんと下のお子さんが一緒におやつを食べるとき、「お兄ちゃんやお姉ちゃんの方が多くてずるい!」なんてケンカになることありませんか?
また、スナック菓子やチョコレートなどの甘いお菓子を、ある年齢以上になってから与えたいのに、「上の子が食べているから下の子も食べたがる」というケースはよくあると思います。どのように調整すればよいのでしょうか。

『濃い味のお菓子は小さな子どもの体に負担も。』
(解説:太田百合子さん)
塩味や甘味は人間が本能的に好む味なので、小さなうちに塩味のスナック菓子や甘いお菓子に慣れてしまうと、濃い味付けがやめられなくなります。特に1~2歳までは内臓の働きが未熟で、塩分や糖分の濃い食べ物は子どもの体に負担をかけ、肥満や生活習慣病の原因にもなってしまいます。味の濃いおやつをやめてヨーグルトや果物に変えることで、食の細い子どもがしっかりごはんを食べられるようになった例もあるので、食事の一部としておやつの内容を見直すことはとても大切ですね。
『小さな子どもにお菓子を与えるときのポイント』
・市販のお菓子を与える場合、3歳くらいまでは幼児用の薄味のお菓子を。
・ジュースの糖分にも注意。子ども用のジュースの糖分は100ccで大さじ約1杯(10g)。野菜ジュースも甘いジュースの仲間と考え、飲みすぎないこと。
・コーヒーや紅茶(コーヒー牛乳やミルクティも含む)、チョコレートなどのカフェインの多いものは小さな子どもには出来るだけ与えないこと。
『上の子が下の子に合わせる工夫を』
(解説:井桁容子さん)
下の子の年齢では、見たらほしくなってしまうのは仕方がないので、きょうだい一緒のおやつの時間には下の子に合ったものを出すようにして、上の子だけが食べるものは別の時間にあげたらどうでしょう。また、上の子には「○○ちゃんは、まだ小さいからおなか痛くなっちゃうんだよ」などと言い聞かせに協力してもらってみてはいかがでしょう。下の子に合わせてあげる優しさを育てるいい機会にもなると思います。

今回の特集を参考に、ごはんとおやつのバランスを整えて、すくすく子育てを実践してください。次回は、スナック菓子が大好きで濃い味付けが好きになってしまうようなケースの不安に関する内容をご紹介します。


子どもの食と歯特集

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