おう吐・下痢のとき
子どもの体調が悪いときのごはん。今回はおう吐や下痢のときのメニューです。
講師:内野美恵(東京家政大学 管理栄養士) 子どもの具合が悪いとき、どんなものを食べさせたらいいか悩みますよね。つらい症状を軽くして、回復を早めるメニューを紹介します。
激しく吐くとき〜吐き気が落ち着いたら
おう吐が激しいときは、食べ物はもちろん飲み物も受け付けません。少しおさまるのをまってから、徐々に水分を補給しましょう。体力を消耗してぐったりしているときにはすぐ病院へ。
激しい吐き気がおさまったら、脱水症状を防ぐために水分を補給します。
何度も吐いたときはのども弱っているので、大さじ1〜2杯程度の水分(のどへの刺激が少ないもの)をスプーンで飲ませましょう。様子を見て、それ以上吐かない場合には30分ごとに、徐々に量を増やしながら水分を与えます。
固形の食べ物を与える前に、まず「おもゆ」で様子をみます。「おもゆ」はおかゆの上澄みです。その後、食欲に合わせて徐々に消化のよいメニューから始めましょう。
吐き気がおさまったら 【豆腐と麩のすまし汁】
【材料】
だし汁 カップ1、焼き麩 2個、絹ごし豆腐 40g、薄口しょうゆ 小さじ1弱、塩 少量
【作り方】
(1)鍋でだし汁を温め、ぬるま湯でもどして小さく切った焼き麩と、1cm角に切った豆腐を加える。
(2)薄口しょうゆと塩で薄味をつける。
※豆腐も麩もタンパク質が豊富。人肌に冷ましてから与えましょう。
吐き気がおさまったら 【ささみ入りにゅうめん】
【材料】
そうめん 15g、鶏ささみ 15g、オクラ 小1本、鶏がらスープ カップ1/2、薄口しょうゆ 小さじ1弱、塩 少量
【作り方】
(1)そうめんをゆで、2cmくらいの長さに切る。
(2)ささみは筋を取って小さく切り、さらに細かく叩く。
(3)鍋に鶏がらスープを煮立て、ささみをほぐしながら入れ、そうめん、みじん切りにしたオクラを加える。
※タンパク質、炭水化物、ビタミンなどの栄養がとれます。消化のよいささみやそうめんなどを使って、少しずつふだんの食事に近づけましょう。
下痢のとき
下痢のときは脱水症状になりやすいので、水分補給が最優先。食欲が出てきたら、徐々に柔らかいものから食べさせましょう。
まずは、りんごのすりおろしがおすすめです。りんごの成分、ペクチンがおなかの調子を整えてくれます。
下痢が改善してきたら 【かぶと豆腐の煮物】
【材料】
かぶ 小2個、絹ごし豆腐 1/4丁(100g)、だし汁 カップ3/4(150ml)、薄口しょうゆ 小さじ1、みりん 小さじ1、塩 適量、片栗粉 大さじ1/2
【作り方】
(1)だし汁に、6等分に切ったかぶ、食べやすい大きさに切った豆腐、しょうゆ、塩、みりんを入れる。
(2)落としぶたをして、かぶが柔らかくなるまで弱火で煮る。
(3)仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつける。
※油をつかわない、おなかにやさしい煮物です。かぶに含まれる消化酵素がおなかの痛みを和らげます。
吐き気があるときは、ヨーグルトやかんきつ類などの酸味のあるものは吐き気を誘うことがあるので、食べさせないようにしましょう。
おう吐や下痢のときも水分補給が優先。そして、子どもが食べ物を欲しがったら回復の合図。でもまだ消化機能が弱っているので、子どもの好きなメニューから刺激の少ないものを選んで与え、徐々にいつもの食事にもどしましょう。
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