子育て川柳大賞(4)ハッピーエピソード部門
最後に、子育て川柳「ハッピーエピソード部門」を紹介します。
小さな手 ママと重ねて 春が来た
埼玉県 笹尾さん(お子さん5歳のママ)より 毎朝、子どもを幼稚園のバスに乗せることが朝の日課です。お迎えの順番が最後のほうなので、だいたい10分は待ちます。そのときつらいのが冬の寒さ。そんな寒さに耐えているときの、一瞬の幸せを詠んだ一句です。![]()
丸山桂里奈さん(MC) とてもいいですね。
りんたろー。さん(MC) ほっこりしますね。
大日向雅美さん 手は、いろんなうたに詠まれていて、あったかいんですよね。光景が目に浮かびます。真冬の10分はつらいですよ。そこで、手と手の温まりで春を感じて、すてきだと思います。
倉石哲也さん ママもお子さんも、お互い手が冷たいかもしれない。でも、握るときの肌と肌の感触ですよね。お子さんは、このママと握った手の感触を忘れないと思います。
きみが吐く その息で母 深呼吸
山口県 西本さん(お子さん3人のママ)より 息子が5か月ぐらいのころ。上のお姉ちゃん2人は、いつもケンカばかりで、仲裁するのにヘトヘトでした。その上、長女はときどき赤ちゃん返りし、次女はイヤイヤ期まっただ中で、気が休まる時間がありませんでした。そんなとき、唯一リラックスできる瞬間を詠んだ一句です。息子は離乳食が始まる前で、息の匂いが綿あめのようでした。その匂いをかぐとリラックスできたので、子育てなどでつらくなると、だっこして口の前で深呼吸。離乳食が始まる前だけの期間限定のぜいたくで、その時間はとても幸せでした。
りんたろー。さん(MC) 本当にいい匂いがするんだよね。
丸山桂里奈さん(MC) いい匂いしますよね。何でなんだろう。
りんたろー。さん(MC) こういうふうに、親それぞれのぜいたくを見つけられたらいいですよね。
大日向雅美さん 私の子どもが小さなころは、いろんなことに追われて気づかなかったんです。そんなとき、先輩が長女をだっこして「いい匂いね」と言ってくれて、あらためてかいでみたら本当にいい匂いで、貴重な匂いだったんだと思ったんです。自分で「いい匂い」と気づかれたのがすばらしいと思います。
振り返る いとしき君の 残り香を
匂いに関しては、こんな川柳も届いています。
海外在住 Kottyさん(お子さん5歳4か月のママ)より 朝、車で娘を保育園へ送ったあと、自分はそのまま車で通勤します。信号待ちのとき、娘はもう乗っていないのに、後部座席のチャイルドシートを、ふとミラー越しに見てしまいます。そんなときの一句です。残り香を感じ、娘へのいとおしさがこみ上げてきます。
丸山桂里奈さん(MC) 私も仕事へ行く前、袖のところに子どもの首から頭にかけて匂いをつけてくんです。
りんたろー。さん(MC) 以前は、服のしみが嫌だったんだけど、今では、よだれみたいなしみがついてると何かうれしくなってしまうんですよね。
丸山桂里奈さん(MC) いとしいんだよね。わかります。
ママ大好き❤︎ ママいなくなると パパ大好き❤︎
東京都 小栗さん(お子さん3歳6か月のパパ)より 娘はママのことが大好き。いつも「ママ、ママ」と言って、パパは避けられちゃいます。たまにはパパを選んでくれないかなと思いますが、残念ながらありません。そんな私の、一時の幸せを詠んだ一句です。実は、ふだんはママべったりな娘も、ママがいなくなると「パパ大好き」と言ってくれます。ママは「娘は人心掌握にたけている」と言いますが、こんなツンデレ作戦にもうれしくなってしまいます。
りんたろー。さん(MC) この歳で、こんなしたたかさのようなものがあるんですかね。
大日向雅美さん 「したたか」を漢字で書くと、健康の「健」、「すこやか」を書いて「健(したた)か」、あるいは「強い」という字を書いて「強(したた)か」なんです。健やかに、強靭に生きていこうとするメンタリティーがあるんですよ。 パパもすてきですね。娘に「ママがいい」と言われてしょげていたけど、こんな川柳を読めるのは、自分を客観視できているのだと思います。
倉石哲也さん パパはしなやかですよね。言うことを聞いてくれなくても無理に娘を叱ることもなく、流れに任せているように感じました。
子育て川柳「あるある部門」
MCの子育て川柳
子育て川柳「悪戦苦闘部門」
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