子育て川柳大賞(3)悪戦苦闘部門
続いて、子育て川柳「悪戦苦闘部門」を紹介します。
卵割り 中身をゴミへ 産後ボケ
大阪府 橋本さん(お子さん1歳4か月のママ)より はじめての子どもの出産は大変で、12時間かかりました。でも、初体験の育児はもっと大変。夜中、全く寝てくれず、10回も授乳したり、おむつを替えたり。数か月間、ほとんど寝る時間がありませんでした。自分自身が生きるのに精一杯なのに、子どもを生かさなきゃいけないと思って、とても大変で。そんな寝不足が限界に達しているときに、よくやってしまっていたことを詠んだ一句です。![]()
丸山桂里奈さん(MC) わかるかも。私も卵焼きを作るときに、フライパンを忘れて、ガスコンロに卵を落としたことがあります。それぐらい何が何だか分からない状況のときがありました。
りんたろー。さん(MC) 寝不足だと判断力は低下しますよね。
倉石哲也さん もちろんそうですよね。ほとんどの方が、眠りが浅くなって、そんなときはふだんのように判断ができないですよ。
りんたろー。さん(MC) 失敗しちゃうママにメッセージはありますか?
大日向雅美さん みなさん、打ち明けたらいいと思うんです。ママたちは失敗と思うから笑えない。でも、みんなやってるのだから、「やっちゃった」と言って、みんなで広めていくと笑えますよね。失敗ではないんです。
後追い中 閉めたら最後 開かずの戸
大阪府 竹本さん(お子さん2歳1か月のママ)より 娘は少しでもママと離れると大泣き。2歳1か月の今でも家事をするのが大変です。トイレに行こうが、お風呂だろうが、掃除していようが、どこへでもついてきてひたすら足の周りにいます。そんな娘が1歳のときの事件を詠んだ一句です。ある日のトイレのとき、いつもはフルオープンなのに、この日は扉を閉めてしまいました。すると、終わったあとに出ようとしても扉が開きません。娘が扉の前で座り、泣いていたんです。四苦八苦して少しずつ開けました。
大日向雅美さん 赤ちゃんや小さい子どもは、形が変わったり見えなくなったりすると、そのもの全部がなくなったと感じるんです。心理学でいう保存の概念が、まだ成立していないんですね。だから、ママの姿が見えないと、「この世からママが消えてしまった」と感じて泣くんです。
倉石哲也さん 基本的に、子どもが小さいころは扉を閉めなくていいと思います。1~2歳のころは、大人がトイレで用をたしていることを、恥ずかしいだとか、やっちゃいけないとは感じていません。子どもが大泣きするような場合は、ドアを少しでも開けて、「大丈夫だよ」と伝えるといいですね。
寂しさよ 後追いするも されぬのも
後追いに関して、こんな一句もありました。
京都府 みほさんより![]()
大日向雅美さん 本当によくわかります。後追いされてトイレまで追いかけられたときは、扉を開けていていいと思ってても、やっぱり閉めたいんですよ。そうやって「嫌だな」と思いながら過ごしていたけど、気がつくと子どもたちが追いかけてくれなくなって、今度は自分が子どもを追いかけている。 そんなとき、猫を飼っていたんです。猫はちゃんと私の前に座って、あくびをしながら待っていてくれて。「お前しかいなくなったね」と言ったことを覚えています。
ごめんね、と トイレで涙 1分間
そして、トイレに関してもう一句あります。
神奈川県 るるんばさん(お子さん2人のママ)より 小さな2人の子どもの子育て疲れが限界に達したとき、唯一の逃げ場がトイレでした。そんなときの一句です。子どもが後追いしてくる中、1分間だけ閉じこもり心を整えています。
大日向雅美さん 切ないですね。最後の「1分」が心に刺さりますよね。1分だけでも自分の時間を持って、そして「ごめんね」と子どもにあやまっている。 トイレで泣くのもいいけれども、例えば子育てひろばなどにも、そういう場があるんですよ。聞いてくれるスタッフもいるから、きたんなく自分の胸の内を伝えてみてください。孤独な泣きから、癒される泣きに変わっていくといいなと思います。
りんたろー。さん(MC) 共有するのも大事なんですね。
子育て川柳「あるある部門」
MCの子育て川柳
子育て川柳「ハッピーエピソード部門」
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