古坂・あきえの 気になるお悩み家族どうなった?(1)

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2024/03/16

出典:すくすく子育て[放送日]2024/03/16[再放送]2024/03/21

今回の「すくすく子育て」は、番組に子育ての悩みを寄せてくださったご家族の「その後」を特集します。当時、抱えていた悩みは解決したのでしょうか? その様子を一緒に見ていきましょう。

古坂・あきえの 気になるお悩み家族どうなった?

専門家:
坂上裕子(青山学院大学 教授/発達心理学)
汐見稔幸(東京大学 名誉教授/教育学)
福丸由佳(白梅学園大学 教授/家族心理学)
柴田愛子(保育施設代表)

「どう乗り切る?イヤイヤ期 ~親の関わり方~」より

どう乗り切る?イヤイヤ期 ~親の関わり方~

まずは、「どう乗り切る?イヤイヤ期 ~親の関わり方~(2020年1月18日放送)」。「イヤイヤ期のわが子を見守りたいけど、うまくいかない!」と悩んでいたご家族です。

「どう乗り切る?イヤイヤ期 ~親の関わり方~」

4年前、お子さん(当時2歳6か月)はイヤイヤ期の真っ最中でした。ママがパンを用意しても「イヤ!ごはんがいい」「いらない」、着替えのときも「イヤ!着替えない」と言っていました。困り果てていたママにアドバイスしたのは、坂上裕子さんでした。

イヤイヤ期の乗り切りかたのアドバイスは2つ。「子どもの気持ちを受けとめること」「選択肢を作ってあげること」です。

イヤイヤ期には、子どもの気持ちを受けとめる

坂上裕子さん

例えば、子どもが「ごはんが食べたい」と主張したとき、「今日はパンだよ。食べて」と返すと、子どもは「気持ちを受け止められてない。一方的に要求を押し付けられている」と感じるのではないでしょうか。そこで、「ごはんがいいのね。そうだよね。ごはんあればあげたいんだけどないんだよね、残念だよね」のように返せば、「私が言っていることを受け止めてもらえている」と感じるようになります。

イヤイヤ期には、選択肢を作る

坂上裕子さん

例えば服を着せるとき。親が「着替えて」とお願いすると、答えが「はい」か「いいえ」しかなく、イヤイヤの激しい時期の子どもは、必ず「いいえ」になってしまいます。そこで、「この服とその服、どっちに着替える?」や「オムツ替えとお着替え、どっちを先にする?」のように声かけすると、子どもに「あなたが主体的に選んでいいよ」という姿勢が伝わります。


―― あれから4年、どんなふうに成長しているのでしょう。

お子さんは6歳。この春から小学生になります。妹が生まれ、お姉ちゃんになっていました。
今はファッションにこだわりがあるそうです。

お気に入りの服、「どういうところが好き?」と聞くと「スパンコール」と答えてくれました。

「イヤイヤ期には、選択肢を作る」というアドバイスを実践していました。今では、私が服の選択肢を出すよりも、「自分で準備する」と言って洋服を選べるようになっています。ふと「あれ?自分で選べるようになってきたんだ」と思って、気づかないうちに「イヤイヤ」が終わっていました。イヤイヤ期を卒業して、今では口ゲンカをするまでになっています。てこずることもありますが、これも成長の証だと感じます。
(ママ)

実は今、手を焼いているのは妹(1歳11か月)のほうなんです。イヤイヤ期が到来して、坂上さんのアドバイスを実践中です。

そんなときの救世主がお姉ちゃん。イヤイヤのスイッチが入っているとき「一緒に遊ぼうよ」と誘ってくれて、妹も笑顔に。ママが忙しいときは、妹の歯みがきもしてくれます。ママがだめなときでも、お姉ちゃんが言うとイヤイヤが収まったり、言うことを聞いてくれたりするそうです。

今や頼りになるお姉ちゃんの心強い助けを借りながら、イヤイヤ期の子育てに再び奮闘中です。


鈴木あきえさん(MC)

イヤイヤで悩んでいる方は多いと思いますが、子育ての悩みは、当時は本当に大変ですけど、成長するんですね。すっかりお姉さんになって、妹のお世話もしていて、もう子育てチームの一員ですね。

「きょうだい育ての悩み」より

きょうだい育ての悩み

続いては、「きょうだい育ての悩み(2019年10月19日放送)」。「上の子と下の子、どちらを優先すればいいの?」と悩んでいたご家族です。

「きょうだい育ての悩み」

当時、お兄ちゃん(当時2歳10か月)と妹(当時10か月)が、仲良くできないことが悩みでした。対策として、お兄ちゃんの気持ちを優先して子育てをしていました。上の子のほうがわかっている分、泣いたときに寄り添ってくれて抱きしめてくれたなど、記憶が残ると聞いていたからです。下の子は、記憶に残らないのではないかと思っていました。ただ、お兄ちゃんの気持ちを優先していても、きょうだい育てはうまくいきませんでした。

そんなママさんにアドバイスしたのは汐見稔幸さんです。「下の子はまだ記憶に残らない」という考え方には誤解があると言います。

感情は記憶に残る

汐見稔幸さん

少し気をつけてほしいのは、「0、1、2歳ぐらいの子どもは記憶に残らない」という言説が広がっていることです。そのくらいの時期は、「あのときに誰が何をした」などという細かいエピソードはそんなに残りませんが、感情は残ります。例えば、一生懸命泣いて訴えたのに無視されて寂しかったとか、何もしていないのにお兄ちゃんにたたかれて嫌だったとか、そういうネガティブな感情は残っていくといわれています。また、ポジティブな感情もちゃんと残っていくといわれています。


―― その後、きょうだいはどうなったのでしょうか。

現在、お兄ちゃんは小学1年生、妹は5歳になりました。そして2人には、妹が生まれました。

2人とも末っ子のお世話が大好き。生まれたときから、とてもかわいがっています。

成長するにつれてだんだんお兄ちゃんも妹を受け入れて、一緒に遊べるようになりました。でも、けんかをするときもあります。妹が勝つこともあるんです。ケンカもするけど、前より仲のよい時間が増えました。
(ママ)

ママは、4年前の番組をくり返し100回以上見て、汐見さんの話を暗唱できるまでになったそうです。

「0、1、2歳の子どもは細かなエピソードは記憶に残らないけど、感情は記憶に残る」という話がとても印象に残っています。妹を泣かせっぱなしにしてでも、先にお兄ちゃんの対応をしていましたが、2人に気をかけて、両方とも同じ愛情を注ぐというような気持ちに変えていきました。
(ママ)

いつの間にか、やさしいお兄ちゃんと、お姉ちゃんになっていた2人。末っ子は、1か月ほど前から歩くようになりました。

2人は「だいじょうぶ?」「あぶないよ」と言いながら、手を引いて歩いていました。きょうだい仲よく助け合う様子は、以前は想像もできなかったそうです。

ママ/この番組は、子育てに悩んだときに見返すこともあります。
パパ/最近も、たびたび見ていますね。

今も、きょうだい育てで大変と感じるときは、汐見さんの言葉が支えになっているそうです。


古坂大魔王さん(MC)

きょうだいで仲が悪かった2人が、下の子を一緒に面倒を見ていて、すばらしいですね。
鈴木あきえさん(MC)

ママが子どもたちの関わり方をアップデートして、とてもよかったです。

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