子どもにかわいい・かっこいい服を着せたいけど、見た目だけで選んでいいのでしょうか? 快適で、元気でいられるのはどんな服? 衣服の専門家に教えてもらいました。
※子どもの体質に合わない場合があるので、様子をみて選びましょう
講師: 薩本弥生(横浜国立大学 教授/被服環境学)
子どもの服選びで気をつけたいこと
服を買うときに重視しがちなのは、子どもが好きな柄やかわいさかもしれません。でも、活発な子どもの動きを邪魔しないために「機能性重視のデザイン」がよいでしょう。過度なレースやリボンがついた服など、法律で規制されているものもあります。
JIS L4129 「13歳未満の子ども服のひもの安全基準」
2015年、服による事故を防ぐためのJIS規格が制定されました。「子ども服にひもやリボンはつけない」などの基準が設けられています。
手作りの服や古着など、この規格が適用されていない服もあるので気をつけましょう。
フードがついた服は、規制はありませんが注意が必要です。
ドアノブや遊具にひっかかるなどの事故が報告されています。活発に遊ぶときはフード付きの服を避け、防寒のために着ている場合も、大人が目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんの衣類は、使ってはいけない有害物質が規制されています。肌着などは袋に入ったものを買う、新品は水通しをする、品質表示タグがない輸入品などの衣料品は避けるなどの対策をしましょう。
着やすい服・動きやすい服
服を着るのが大変だったり、着心地がよくなかったりすると、子どもが運動を嫌がるなど、成長に影響することもあります。子どもの動きや体型にあわせた着やすい服、動きやすい服であることが大事です。広がったスカートやズボンで足元が見えない、重ね着のし過ぎで腕が曲がらないなど、子ども目線で動きづらくないかを考えるといいですね。
子どもは寸胴な体型なので、ウエストで縛るような服だとあまり着心地がよくありません。ずり落ちないようにウエストゴムをきつくしすぎると、呼吸を妨げることもあるそうです。例えば、サスペンダーやワンピースなど、肩で支えてウエストに圧をかけない服は、動きやすくて拘束感が小さいので、子ども服としてよいでしょう。
サイズがあっていることも重要です。子どもは成長が速いので、「長く着られるように」と考えて、大きめの服を買いがちです。でも、大きすぎる服は、動きにくく事故も心配です。程よいゆとりのある、サイズがあった服を着せるようにしましょう。
寝るときの服
服が気温や天気に合っていないと、思わぬ体調不良を招くことがあります。寝るときも、暑すぎ、冷えに注意しましょう。
適度なゆとりがあり、汗をよく吸う肌触りのよい素材のパジャマを着せ、特に寝始めはあたためすぎないようにします。
子どもが寝るとき、布団の中で落ち着いているわけではありません。動き回ることを自由にさせられるように、適度なゆとりのあるパジャマがよいでしょう。背中やおなかなどの体幹部が冷えないように守ることも重要です。
また、寝るときは体温が1度ぐらい下がります。手足の温度を上げて放熱をうながすことで眠りにつくのです。手足は布団から出したままでよいでしょう。
手足は、暑さ寒さを感じるセンサーとなって体温を調節する役割があります。室内にいるとき、寝ているときなどに、手足が冷たいと心配になるかもしれませんが、靴下や手袋で覆わないようにしましょう。
元気に育つための服は「快適さ」「動きやすさ」が第一ですが、子どもが「服を着たい」という気持ちを尊重することも大事です。子どもが暑さ寒さを感じて自分で調節ができるようになるために、親子で服の選び方、着方を覚えておくといいですね。
まいにちスクスク「子どもの服」の番組記事
- (1)服での体温調節のコツ
- (2)服の素材を知る
- (3)服と安全
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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