褒め方・叱り方(1)褒め方の呪文
子育てをしていると、子どもを叱りたくなるときがありますよね。保育園の現場から、子どもの目線に立った接し方を教えてもらいます。
講師: 吉村直記(おへそグループ統括園長)
イ・オ・プ・カ・シの呪文
子どもたちの行動を促すときは、叱るよりも、褒めることを基本にしたいですね。でも、どう褒めたらいいのでしょうか。そこでおすすめしているのは、「イ・オ・プ・カ・シの呪文」という褒め方です。
【イ】イイトコ褒め
イオプカシの「イ」は、「イイトコ褒め」です。
例えば、ひらがなのプリントを見せにきた子がいたとき。この子は、全部のひらがなを書くことはできず、友だちに手伝ってもらったそうです。でも、ここは“できていること”に注目します。「書いたひらがなはどれ?」「これを書いたんだね」「すごいじゃん!最後まで頑張ったね。かっこいいな!」と褒めてあげます。
できなかったことにフォーカスすると、子どもはそこであきらめて、行動をやめてしまうこともあります。小さな「イイトコ」にフォーカスして褒めましょう。
【オ】オドロキ褒め
イオプカシの「オ」は、「オドロキ褒め」です。
例えば、苦手なものを食べられたときは、「おお! ワカメがなくなっている〜!」のように、大きなリアクションで褒めてあげます。子どもは笑顔になりますよ。
【プ】プロセス褒め
イオプカシの「プ」は、「プロセス褒め」です。
例えば、鬼ごっこに負けて泣いている子がいたとき。「くやしかった? でも、やってみようと思って挑戦できたんだよね。がんばったよね」と、達成できた「結果」ではなく、頑張った・チャレンジできた「プロセス」に注目します。
「結果」は、運動能力・体質・発達・年齢など、いろいろなものに起因します。本人の努力や姿勢に言葉をかけることで、モチベーションがあがり、練習に打ち込むこともあります。結果もあとからついてきます。
【カ】カンシャ褒め
イオプカシの「カ」は、「カンシャ褒め」です。
例えば、下の子のお世話をしてくれたときに、「ありがとう」を伝えます。ママ・パパや先生など、信頼する大人が喜んでくれることは、「もっとやりたい」という気持ちにつながります。
【シ】シツモン褒め
最後のイオプカシの「シ」は、「シツモン褒め」です。
最近、竹馬に乗れるようになった子がいたので、「シツモン褒め」のチャンスです。
「わー!すごいね。竹馬、どうやってするの?」と聞くと、乗り方をレクチャーしてくれました。
さっそくチャレンジしてみますが、うまくいきません。すると、ほかの子どもたちも集まってきて、いろいろと教えてくれます。ふだん教えてくれる大人が「教えてほしい」と言ってくれて、子どもたちはうれしい気持ちになるのです。
褒め方の呪文「イオプカシ」を、ぜひ使ってみてください。
まいにちスクスク「褒め方・叱り方」の番組記事
- (1)褒め方の呪文
- (2)“自分で”を伸ばす褒め方
- (3)避けたい叱り方
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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