理由がわからない赤ちゃんの泣きには困ってしまいますよね。実は、赤ちゃんの泣きは月齢が進むにつれて理由が変化していくのです。泣きの理由やお世話のポイントについて教えてもらいました。
講師: 岩佐寛子(東京都助産師会/助産師)
専門家: 黒田公美(理化学研究所 脳神経科学研究センター/医学博士)
6か月ごろからの泣き
赤ちゃんは6か月を過ぎると、泣きの理由が複雑になります。例えば、親が離れると泣く「後追い泣き」などがみられるようになります。そしてこの時期、親を悩ませるのが「夜泣き」です。
赤ちゃんの夜泣きにつきあうのは想像以上に大変なことです。眠れなくて、イライラのスイッチが入ることもあります。夜泣きについて、くわしくみていきましょう。
どうして夜泣きするの?
そもそも、なぜ夜泣きをするのでしょうか? 脳科学の視点から黒田公美さんに伺いました。
黒田公美さん 赤ちゃんは、睡眠と覚醒を上手にコントロールして切り替えることが、まだうまくできていません。発達とともに、睡眠をつかさどる睡眠中枢と覚醒をつかさどる覚醒の中枢がスイッチのように切り替わって、夜は寝る・昼間は起きるリズムをつくることができます。 赤ちゃんは、睡眠のリズムがまだ安定していません。続けて眠れず、眠りたいのに眠れないことを不快に感じて、泣く場合があります。それが「夜泣き」だと考えられています。
では、こうした夜泣きはいつまで続くのでしょうか?
黒田公美さん 赤ちゃんの脳波から睡眠のサイクルを調べた研究によれば、1歳半から2歳半ぐらいになるとかなり落ち着いてきて、徐々に夜も安定した睡眠がとれるようになっていきます。
ねんねのサポート
この時期、赤ちゃんは上手に眠るための練習中です。親はその練習をサポートしましょう。
サポート① 熱を逃がす
眠りに入るときは、体から少し熱を逃がす必要があることがわかっています。
布団のかけすぎや厚着の場合、熱をうまく逃がすことができないため、赤ちゃんは気持ちよく眠れません。赤ちゃんの手足が温かく、さらに汗をかいている場合は眠たいのに眠れない状態です。
眠りはじめは薄手のふとんにしてあげる、手足をふとんから出してあげるなどで、熱を逃がす手伝いをしましょう。寝巻きにも気をつけてください。
サポート② 生活リズム
赤ちゃんが決まった時間に眠りにつき、決まった時間に起きることができるように、生活のリズムを整えてあげることが大事です。早寝早起がよいでしょう。
家庭の事情などで、早寝早起が難しいときは、決まった時間に寝る・起きることをしてください。睡眠と覚醒の切り替えがうまくできない赤ちゃんのために、まずは、家族のライフスタイルに合わせた生活リズムをつくっていくことからはじめましょう。
リフレッシュすることも大切
いつか終わるとわかっていても、夜泣きにつきあうのは大変です。ママもパパも、リフレッシュすることが大切です。
岩佐寛子さん 赤ちゃんのお世話で余裕がないときに、いざ「リフレッシュできることは何だろう」と思っても難しいことがあると思います。日頃から、「私は何でリラックスできるかな」と考えておくとよいでしょう。例えば、好きな香りのハンドクリームを塗ったり、おいしいお茶をいれてみたり、ちょっとしたことでも気分の切り替えに役立ちます。
まいにちスクスク「赤ちゃんの泣きとお世話」の番組記事
- (1)不快をとりのぞく
- (2)何をやっても泣きやまない
- (3)夜泣き
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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