日常に潜むキケン(1)誤飲と窒息の予防法と対処法

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2023/04/21

出典:まいにちスクスク[放送日]2023/04/21[再放送]2023/04/24

好奇心旺盛な子どもたちの思ってもみない行動に、ヒヤリとする場面はありませんか? 子どもの事故を防ぐ研究をしている大野美喜子さんに、家の中で起きる、特に命の危険がある事故の予防と対策について教えてもらいました。

講師:
大野美喜子(NPO法人 Safe Kids Japan)

誤飲と窒息事故

誤飲や窒息は、0~2歳に多くみられます。重症になる可能性が高いので、年齢ごとにどのような事故が起こるのかを知って、対策することが大切です。

子どもは、生後5か月を過ぎるころから、なんでも口に入れてしまいます。誤飲の事故は、身近にあるオモチャや絵本、シールなどの紙類、クレヨンなどが報告されています。

食事のときも注意が必要です。「丸く・つるっとしたもの」は、よくかんで飲み込むことが難しく、丸飲みしてしまい、のどに詰まらせることがあります。「粘着性が高いもの」も、かむ力・吐き出す力が弱い子どもにとって、飲み込みづらく、のどに詰まりやすいものです。

事故を防ぐポイント

事故を防ぐために、まずは物の大きさをみてみましょう。

赤ちゃんが口を広げたときの大きさは、最大3.9cmといわれています。この大きさは、トイレットペーパーの芯の直径(4cm)と同じくらいです。ここを通るような小さい物は、誤飲の危険性があります。

また、子どもの手の届く範囲に、危ない物を置かないようにしましょう。物が置かれている台の高さと奥行きを足した長さで考えましょう。1歳児では90cm、2歳児では110cm、3歳児では120cmが目安です。

食べ物の大きさにも注意してください。窒息する危険のある、丸くてつるっとしたミニトマトなどは4等分に、パンなどは1cm角に細かく切り、食べさせてください。

もしも誤飲してしまったら

事故を防ぐポイントに注意しても、誤飲してしまうことがあります。誤飲したときにどうすればいいのか、岸部峻さん(東京都立小児総合医療センター)に聞きました。

何かを誤飲してしまった場合、まずは、のどに物が詰まって窒息していないかを確認し、救急要請しながら応急手当ができるとよいでしょう。

「声が出ない」「よだれを垂らしている」「息が吸いにくそう」「顔色が悪い」などは、子どもが窒息したときのサインです。異変を感じたら、すぐに救急車を呼んでください。

応急手当

背部叩打(こうだ)法

1歳未満の乳幼児で、意識がある場合は、太ももの上にうつ伏せで乗せ、頭を胸よりやや低い状態にします。片方の手で、下あごを支えてあげましょう。

この姿勢で、もう片方の手の付け根で、背中を連続してたたいていきます。たたく位置の目安は、両側の肩甲骨の間です。まずは、5回たたきましょう。

続いて、あおむけにして、みぞおちの上の胸骨を突き上げるように、2本指で5回押します。 
これらを交互に繰り返すことで、のどに詰まった物が出やすくなります。

腹部突き上げ法

1歳以上の幼児の場合は、「背部叩打法」に続いて、「腹部突き上げ法」を行います。後ろから抱きかかえ、みぞおちの下の部分を思っている以上に強い力で突き上げます。

危険な物を誤飲した場合

窒息以外にも、誤飲すると危険な物があります。

タバコや大人用の薬、洗濯洗剤などの化学製品は、誤飲すると中毒症状になる可能性があります。電池や磁石、鋭利な物は、胃や腸などを傷つけます。

もしこれらを飲み込んでしまったとき、無理に吐かせると、吐かせた物で窒息するなど、かえって悪化することがあります。また、水などで流し込んだりすると、中毒性があるものの吸収を促してしまうので、大変危険です。すぐに医療機関を受診しましょう。


まいにちスクスク「日常に潜むキケン」の番組記事

まいにちスクスク
 
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