育児のハッピー みんなでシェアSP (1)
今回は、みなさんから届いた「育児のハッピー」をシェアして、あらためて子育ての楽しさを確認していきます。
ハッピーゲスト: 大日向雅美(恵泉女学園大学 学長/発達心理学) シェリー(タレント/2児のママ)
思いがけない成長にハッピー
3人の子どもたちはやんちゃ盛り。ものすごい勢いで遊んで、けんかして、育児はいつもドタバタです。特に4歳のお兄ちゃんは、言うことを全然聞いてくれません。 そんなある日、私たちが夫婦げんかをしていたら、いつもは暴れん坊のお兄ちゃんが止めてくれたんです。そのとき、「ママを守ってあげる!」と言ってくれました。まるで、私の小さなヒーローができたようで、思いがけない息子の成長に幸せを感じました。 (お子さん4歳・2歳10か月・2歳10か月のママより)
古坂大魔王さん(MC) わが家も、なんだか妻の機嫌がよくなくて、夫婦で静かになっていたら、子どもが家族写真をテーブルにポンと置いたんです。家族みんながニコニコ笑顔で撮った写真で、つい笑ってしまいましたよ。
シェリーさん 今、子どもたちは6歳と4歳で、上の子がだんだん賢くなってきて、厳しく叱ってしまうときがあります。そんなとき、下の子がわざと踊ったりするんですね。それで雰囲気が軽くなって、上の子も笑って、子どもの一生懸命な気持ちに涙が出そうになりました。
大日向雅美さん 大きな成長の足跡が見えますよね。毎日毎日、子育てに追われていると、何が変化しているのか、自分のしていることが成果につながっているのか、なかなか見えてきません。でも、証のような見えるものが、ときどきは欲しいわけです。 子育ては、エネルギーばかりそがれて、何も成果がないと思いがちですが、全くそんなことはありません。例えば親戚の子に、1年ぶり・半年ぶりに会うと、とても育っていると感じますよね。そういったものを、ママ・パパも感じるチャンスが日々の中に転がっているのです。そんなハッピーを、うまくすくいあげてよかったなと思います。
―― ほかにも、こんなお便りが届いています。
息子は、同じくらいの年の子が苦手で、環境になじむのに時間が必要でした。3歳目前で保育園に入り、やっていけるのか私たちは心配でした。でも、保育園に通い始めて数日目に「お友だちできた!」と夕飯の時間にふと教えてくれたのです。子どものたくましさを感じてジーンとなりました。私も新しい職場で負けずに頑張ろうと思いました。 (お子さん5歳のママ)
鈴木あきえさん(MC) きっと小さなころから、なかなか公園でなじめないなど、子どもが1人でいる姿を見てきたのでしょうね。そこで、この保育園のたくましい姿は、胸がいっぱいになりますね。
古坂大魔王さん(MC) 子どもに「保育園が楽しい」と言われると、なぜかすごくうれしくなりますよね。
お姉ちゃんの自覚にハッピー
5歳になる娘はとても元気な女の子。でも、下の子を妊娠しておなかが大きくなるころから、必要以上に甘えたり、不機嫌になったりして、赤ちゃん返りが気になっていました。ちょうど保育所から幼稚園に転園したことも影響していると思います。 そんな娘が、幼稚園のバスに向かおうとして腰も痛くて早く歩けない私に、「ゆっくり歩いていいよ」と言ってくれました。ほかにも、私のおなかが冷えるのを心配してくれたりしたんです。 弟が生まれたあとも、ミルクやおむつを手伝ってくれたり、泣いていると「どうしたの?」とかけつけてみてくれたり、びっくりするぐらいにお姉ちゃんになりました。 (お子さん5歳のママ)
シェリーさん 今、3人目を妊娠しているのですが、それを娘に伝えると、その日から私に荷物を一切持たせてくれないんです。6歳の娘が頑張って荷物を持つので、「大丈夫よ。持てるよ」というのですが、「自分がちゃんと持つんだ」と言うんです。
大日向雅美さん シェリーさんのお子さんが荷物を持ってくれるのは、きっとシェリーさんが生まれてくる赤ちゃんのことをとても大事に思っているからでしょうね。 子どもは、親の暮らしをまるごと見ながら、その中で自分の位置づけを探しているように思います。きっと、赤ちゃんを大事にしている様子を間近に見て、ママを喜ばせたいという気持ちになったのではないでしょうか。
シェリーさん 頑張って手伝ってくれたときには、「ありがとう」「助かるよ」と褒めています。でも、そのせいで娘が「やらなければいけない」と考えるのはよくないと思っています。
大日向雅美さん 「お姉ちゃん・お兄ちゃんだから」と、期待で押しつぶされてしまうのはかわいそうですね。「ありがとう」と言いながら、「自然体でいいのよ」「できないときはやらなくてもいいんだよ」と伝えていいと思います。 そして、ときどきわがままになったときは、受け止めてあげてほしいですね。「まだ5歳だもんね、甘えたいよね」のように言ってあげると、気持ちが満たされて、またお姉ちゃん・お兄ちゃんになっていく。子どもは、一生懸命、心の中の葛藤とたたかいながら、ママ・パパに喜んでほしいと思っているんですよね。
―― ほかにも、こんなお便りが届いています。
第2子の誕生と共に、夫の両親との同居が始まりました。うまくいかないことが多く、1人でしくしく泣く日々でしたが、子どもの前では泣かないように頑張っていました。でも、こらえきれず寝室で8か月になる娘を抱きしめながら泣いてしまいました。 すると、娘が不思議そうに私の顔を見て、自分のしていたおしゃぶりを、そっと私の口に入れようとしてくれたんです。「守ってあげなきゃ!」と思っていた娘に助けられた、幸せな思い出です。 (お子さん2人のママ)
鈴木あきえさん(MC) 自分のいちばん好きなおしゃぶりを渡してあげるなんて、ママの寂しい涙がハッピーな涙に変わりますね。
シェリーさん 自分がいちばん安心する、これがあったら私は泣きやむ。それを「ママに貸してあげよう」と思ったんですね。
大日向雅美さん いい話ですよね。つらい涙がハッピーな涙になった。本当にその通りで、それをくれたのがわが子ですよね。きっと、このおしゃぶりが将来の宝物になると思いますよ。
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