子育ての環境づくり(3)遊びの環境
子どもたちが生活する保育園には、学びや育ちを支える工夫がたくさんあります。保育室の環境づくりから、家庭でもまねできる方法を教えてもらいました。
今回は、遊びの環境です。
講師: 鈴木八朗(くらき永田保育園 園長) 子どもたちは「自分でやりたい」という思いを持っています。そのために環境をつくってあげることが大切です。
遊びの環境づくり
まず、「ここは遊んでいいところ。おもちゃを広げていいスペースだよ」という場所を決めることがポイントです。例えば、机やマットなどで場所をつくってあげます。
この園では、マットをしくことで遊びの場を設定しています。場所が決まっていることで、集中して遊びに取り組むことができるそうです。
おもちゃの棚を見ると、数が少ないように感じます。実は、子どもたちにとっての「旬のおもちゃ」を選んで置いているのです。
たくさん置きたくなるのは、大人のコレクション的な感覚です。子どもは、「今やりたこと」を何回も繰り返します。そういった遊びを通して、自分のものにしたいという思いがあるのです。例えば、蛇口をひねるのが「おもしろい」と感じると、「ひねるおもちゃ」で遊びたくなります。
家庭でできること
家庭の場合、どのように取り入れたらいいでしょうか。
こちらの家庭では、おもちゃの棚がすっきりしています。
旬ではないおもちゃを、子どもの目の届かない場所に収納しているそうです。
子どもの興味や時期によって、おもちゃを入れ替えてもいいですね。
片づけも遊びに
園での様子を見ていると、使い終わったおもちゃを自分で棚に戻していました。
大人は、遊びと片づけを別のものと考えがちですが、片づけるのが楽しくなると、遊びの一部になっていくのです。
1歳児クラスを見ていると、さっきまでおままごとをしていた子が、片づけをしないままでいました。先生は「作ってたごはんこぼれてるよ。集まれしよう!」と声をかけます。
このとき、色や形ごとに片づけるケースを分けると、ゲーム感覚で片づけることができます。この子も集めるのがおもしろくなって、全部片づけることができました。
食事の前におすすめの遊び
食事の前などにおすすめなのが、「終わりのある遊び」です。気持ちの切り替えを手助けする工夫なんです。
パズルに夢中で、食事に向かわない子がいたら、先生が一緒に完成させます。この子も納得して食事に向かうことができました。
スムーズにお昼寝をするには?
食後は昼寝の時間。先生がカーテンをしめます。
すると、子どもたちは自分で布団をしいて横になります。
スムーズにお昼寝をするには、寝る前の儀式のような「昼寝のスイッチ」がポイントになります。「カーテンをしめる」「絵本を読む」「タオルケットをかけてあげる」などもスイッチのひとつです。「〇〇をしたらお昼寝」というスイッチができると、睡眠に入りやすくなります。
家庭に合った方法を、取り入れてみてください。
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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