からだのケア(2)赤ちゃんの肌
子どもの肌は、とってもデリケート。正しくケアしないと、さまざまなトラブルが起きてしまいます。今回は、0~1歳のころの、上手なスキンケアの方法を紹介します。
講師: 馬場直子(小児皮膚科医)
赤ちゃんの肌の特徴
赤ちゃんの皮膚は、厚さが大人の半分程度しかありません。そのため、皮膚の表面を覆っている皮脂の分泌量や保湿成分が少なく、乾燥しやすいのです。
乾燥すると、皮膚を守る力「バリア機能」が弱くなり、外からのいろいろな刺激や、アレルゲンが皮膚の中に入り込みやすくなります。バリア機能が弱いというだけで、かゆみ過敏になります。
肌のトラブル
バリア機能が弱い赤ちゃんの肌トラブルは、日常生活の中に多くみられます。その代表的なものが「よだれかぶれ」と「おむつかぶれ」です。
「よだれかぶれ」は、よだれを頻繁に拭きとることで、口のまわりが乾燥して起こるトラブルです。かゆみを引き起こし、よだれかぶれにミルクや離乳食がつくと食物アレルギーを発症する可能性もあります。
そして、赤ちゃんの多くが経験する「おむつかぶれ」。おむつの中は高温多湿です。皮膚が柔らかくふやけた状態になり、そこに、おしっこやうんちの汚れ、拭きとるときのこすれなどが刺激となって炎症します。
口まわりやおむつのところは、常に刺激が加わり続ける部位なので、悪化してから治そうとしても大変です。予防が大事になります。
よだれかぶれの予防
まずは、よだれかぶれ予防のケアです。
口元を、お湯でしぼったガーゼやタオルで、やさしく拭きとりましょう。このとき、ゴシゴシと強く拭きとると、肌の刺激となるので注意しましょう。
ワセリンには、皮膚の表面に保護膜をつくる働きがあります。食前に、口まわりに薄く塗っておくのも効果的で、直接汚れが肌につかないので、予防と炎症の悪化を防ぐことができます。
おむつかぶれの予防
次は おむつかぶれのケアのポイントです。
まずは、こまめにおむつの中をチェックしましょう。むれていると、おむつかぶれの原因になりやすいので、ぬれていたらすぐにおむつを取り替えましょう。
通気性のよいおむつを選ぶのもポイントです。
おしっこやうんちなどの汚れは、ぬるま湯でぬらしたティッシュ、柔らかいコットンなどで拭きとります。
下痢をしているときは、おむつかぶれになりやすいので、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。
拭いたり、洗った後、すぐにおむつをつけると、むれてかぶれやすくなります。乾かしてからつけましょう。
馬場直子さん 赤ちゃんの皮膚はとってもデリケートです。特に荒れやすい口のまわりや、おむつ部の皮膚には十分気をつけて、ケアしてあげてください。
同じ週に放送された番組記事
- (月)からだのケア(1)子どもの爪
- (火)からだのケア(2)赤ちゃんの肌
- (水)からだのケア(3)幼児期の肌
- (木)からだのケア(4)子どもの髪
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
PR