子どもの習いごとは、何歳から始めたらいい? 親がさせたい習いごとでもいい? 子どもに「やめたい」と言われたらどうする? 子どもの習いごとの悩みについて、専門家と一緒に考えます。
専門家:
帆足暁子(親と子どもの臨床支援センター代表理事 /臨床心理士)
大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学)
今回のテーマについて
新しい体験ができること、本物に出会えることが利点
帆足暁子さん
子どもの発達の面では、ふだんの生活だけで十分だと思います。一方で、習いごとには、芸術やスポーツなど、さまざまな新しい体験ができる利点があります。子どもは小さければ小さいほど五感が大事です。そんな五感を刺激する、本物の人たちや芸術に出会うチャンスにもなります。
ワクワクできる習いごとは、日々の楽しさになる
大豆生田啓友さん
昔なら外遊びがたくさんあり、そこで得られる経験がありましたが、今は制約がありますよね。その意味では、本人がワクワクする習いごとに出会えたら、毎日の楽しさになると思います。親にとっても、習いごとが他の親たちとのコミュニケーションにつながることがあるでしょう。
習いごとは小学校まで必要ない? 始めるならいつから?
「習いごとをやめたい」と言われたら、どこまで子どもの気持ちを尊重する?
“親が習わせたい”はよくない?
何かに夢中になった経験は、さまざまな興味・探求心へとつながる
大豆生田啓友さん
子どもが夢中になったりワクワクできたりすることが大事なので、それが習いごとでなくてもよいのかもしれません。例えば、深海魚が好きで夢中になった経験は、「絵にかきたい」「もっと調べて科学的に知りたい」など、いろいろな興味や探究心に広がっていきます。習いごとを含めて、その子がいちばん夢中になることが、とても大事だと思います。
家族が「楽しい」「いい」と思えるなら、習いごとの意味がある
帆足暁子さん
習いごとは、唯一のことではなく、家族の中のひとつの要素でしかありません。習いごとをすることで、家族みんなが楽しくなれたり、一緒にいて「いいね」と思える経験になるのであれば、習いごとをする意味があると思います。
もし、「練習はイヤ」「行きたくない」といったことになり、親子の関係がギクシャクするのであれば、「ちょっと待って。一度整理してみない?」のように、家族をいちばん大事にするところに立ち戻ってみましょう。情報過多の時代で、他の人たちが気になることもあると思いますが、決めるのは自分たち家族です。家族が「楽しい」「幸せだよね」と言って暮らしていけるようなスタンスを基準にして、考えていけたらいいですね。