ダブルケア 当事者の相談先
今、ダブルケアの悩みを語り合う場が、全国に広がりつつあります。それは「ダブルケアカフェ」です。現在、全国に20か所になります(※)。コロナ禍の今は、主にオンライン・ミーティングを活用して、参加者が日頃の悩みを吐き出したり、情報交換をしたりしています。
※岩手奥州ダブルケアの会 調べ
ダブルケアカフェ主宰者のひとり、室津瞳さん(NPO法人 こだまの集い 代表理事)もダブルケアの当事者。3年前、妊娠中に父が末期がんであることがわかり、さらに母にも別の病気が見つかりました。フルタイムの仕事と、3歳の子どもを育てながらのダブルケアだったといいます。とにかく、目の前のことを必死にやるしかなかったそうです。
そんな室津さんが、ダブルケアで頑張っている仲間たちに話していることがあります。それは、子どもに目を向けてほしい、ということです。
ダブルケアは、子どもと介護で、両方の手を引っ張られている感覚です。どちらもやりたいけど、やりきれないジレンマがあります。そんなとき、「子どもに目を向けていいんだよ」と言ってもらえたことがあって、私はとても救われました。 実際に、介護は技術的に難しい部分があります。それはプロに任せて、家族にしかできないことを考えましょう。気持ちをかける、昔の思い出を語る、「ありがとう」と感謝する言葉を伝える、などです。そして、時間をつくって、子どもに目を向けてほしいと思います。子育ても後悔しないでほしいのです。 (室津瞳さん)
自分が壁にぶつかっているときに、先輩たちから実際の体験を聞けると、とても心強いですね。
当事者同士で話をすると心が解放される
コメント:小薮基司さん そうですね。当事者でなければ、わからないこともあります。当事者同士でないと、話せないこともたくさんあるのです。そのため、「参加すると、とても心が解放される」という声を聞きます。オンラインが普及して、どこに住んでいても参加の機会を持てるようになることはいいことだと思います。
親ではなく、配偶者の介護でダブルケアをしている方からのお悩みも寄せられています。
パートナーの介護についてよく聞くようになった
コメント:植木美子さん 最近、病気のパートナーを介護して子育てをしている当事者の話を、よく聞くようになりました。とても難しいことです。絶対数が少ないので、相談相手や話し相手もなかなか見つかりません。少しずつ、そういった当事者同士が話せるカフェなどができてきています。
ダブルケアを知ってほしい。支援されてもいい人だとわかってほしい
コメント:植木美子さん ダブルケアの当事者は、必死でやっているために、自分が支援されていい人だと考えていない方がたくさんいます。 今、私たちは、「ダブルケア」という言葉を全国的に広げようと活動しています。2022年の2月には、2月2日をダブルケアの日に設定して、ダブルケアをいろいろな人に知ってもらえるような、オンラインのイベントも考えています。当事者ではない方も、友人がそうかもしれません。ぜひ、このような取り組みがあることを伝えていただければと思います。
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