赤ちゃんが生まれると、ママやパパはお世話で大忙し。中でも頭を悩ませるのが「授乳」です。母乳やミルクのさまざまな悩みや疑問について、岩佐寛子さん、笠井靖代さんに教えていただきます。
今回のテーマは、「痛みや不快感」です。
講師: 岩佐寛子(助産師) 大切なのはひとりで抱え込まないこと。専門家のサポートを受けながら、自分たち親子にあった授乳方法を見つけてください。
専門家: 笠井靖代(日本赤十字社医療センター/産婦人科医)
乳房が痛い… これって乳腺炎?
今、2人目の子どもを母乳育児していますが、1人目のときにトラブルがありました。乳房が張って、かたくなり、子どもが飲まなくなったんです。おかしいと思って電話で相談したら、乳腺炎の寸前でした。しこりができたり、乳房が痛む乳腺炎は、どうしたら防げるのでしょうか?
含ませ方を見直す。飲ませやすいようにほぐす
回答:岩佐寛子さん まずは、含ませ方がうまくできているか見直してください。また、乳輪・乳頭がかたいまま授乳されている方もいます。その場合は、飲ませやすいようにほぐすと楽になることもあります。
乳房に違和感を覚えたら、授乳姿勢や含ませ方を早めに見直し、乳輪や乳頭のマッサージをしてみましょう。
授乳前に、乳輪や乳頭をマッサージすることで柔らかくなり、赤ちゃんが飲みやすくなります。
また、授乳後に、乳頭に塗ってもよいクリームで保湿ケアするようにしましょう。
痛みがある場合は、ぬらしたタオルなどで、じんわり冷たさを感じる程度に冷やしてください。
※痛みや発熱があるときは、産婦人科や乳腺クリニックを受診するようにしてください。
授乳のとき、なぜか嫌な気分になってしまう
授乳のときに、全身に鳥肌が立つような、何とも言えない不快感に苦しんでいます。なぜか、気持ちが悪く、イライラして、嫌な気分になります。
(女の子2歳1か月のママ)
(女の子2歳1か月のママ)
こういった症状はなぜ起きるのでしょうか? 笠井靖代さんに伺いました。
不快性射乳反射といわれる現象
回答:笠井靖代さん 「不快性射乳反射」といわれている現象です。気分が悪くなる、イライラする、気分が落ち込むといった症状があります。突然起こって、5分程度の短時間でおさまります。 この「不快性射乳反射」は、2008年に最初の報告があったばかりで、まだ原因などわかっていないことも多いのです。母乳が分泌されるときに、ドーパミンというホルモンが一時的に低下しますが、それが影響しているのではないかと考えられています。いわゆる「産後うつ」とは違います。お母さんが悪いわけではありません。
不快性射乳反射は、不快感があっても長く続かないのが特徴です。授乳での痛みや不快感など、気になることがあったら、迷わず専門家に相談してください。
まいにちスクスク「授乳の悩みとギモン」の番組記事
- (1)うまく飲んでくれない
- (2)母乳が足りている?
- (3)痛みや不快感
- (4)母乳やミルクとの上手なつきあい方
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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