図鑑の楽しみ方(4)図鑑の最新事情
毎年、200以上もの新刊が出ている図鑑。子どもにどんなものを選んで、どう使えばいいのか、迷ってしまうことはありませんか? 子どもは、おもしろいものがたくさんあると知れば知るほど、知的好奇心が高まっていきます。子どもの発達や興味に応じた、図鑑の活用法や楽しみ方を紹介します。
今回は、図鑑の最新事情です。
講師: 瀧靖之(東北大学 加齢医学研究所 教授)
大きく進化してる図鑑
かつて、図鑑といえば、動物の写真などが標本のように整然と並んでいるイメージでした。今、その図鑑が大きく進化しています。
例えば、動く恐竜を3Dで見ることができる図鑑や、少し変わったジャンルの図鑑など、いろんなタイプの図鑑が続々と登場しています。子どもたちが興味を持つ仕掛けがたくさんあり、より小さい子どもたちにも親しみやすくなっています。
図鑑「講談社の動く図鑑 MOVE 動物 新訂版」
この図鑑には、ライオンの大きな顔、息使いまで聞こえそうなシマウマの戦い、ダイナミックに跳びまわるサルなど、臨場感と迫力あふれる写真が満載です。付属のDVDやスマートフォンで、図鑑に載っていた動物を映像で見ることができます。文字が読めない子どもでも気軽に楽しめます。
瀧靖之さん この十数年で、図鑑のエンターテイメント性が進んでいます。また、以前より科学的な知見が増えたことで、より深く、おもしろい図鑑ができるようになったのではないかと思います。
図鑑「学研の図鑑 LIVE カブトムシ・クワガタムシ」
3Dや立体映像と連動した図鑑もあります。
スマートフォンのアプリを使って、カブトムシのページにかざすと、画面に歩く3Dのカブトムシが現れます。
そのままスマートフォンのカメラを手に向けると、カブトムシが手の上にいるような、不思議な感覚が味わえます。拡大したり、方向を変えたり、さまざまな角度から観察することもできます。
図鑑「小学館の図鑑NEO+ 分解する図鑑」
ユニークな視点の図鑑も登場しています。この図鑑のテーマは「分解」です。
パソコンやテレビのような機械・道具などの仕組み、身近なものの成り立ちなどを、実際の内部写真やリアルなイラストで紹介しています。身のまわりのものを新しい視点で見ることで、今までにない驚きと発見が味わえます。
どこに図鑑を置くのがいい?
すぐ手に取れるところ
回答:瀧靖之さん できれば、リビングなど、すぐ手に取れる場所に置くのがいいでしょう。例えば、テレビで気になる動物が出てきたときに、すぐに図鑑を見ることができます。疑問があったら図鑑を見る。「調べたらよくわかった!」という体験を繰り返すことで、「もっと知りたい」という好奇心が育まれます。
図鑑は好奇心を刺激する
瀧靖之さん いろいろなものを見たとき、興味があるかどうか、知識があるかどうかで、見方が全く違ってきます。例えば、白いチョウを見たとき、それがモンシロチョウなのか、スジグロシロチョウなのか、興味がなければ、ただの白いチョウのままです。ほんの少しの知識があるだけでも、「これは何だろう」と目にとまるようになります。この繰り返しで、世の中のさまざまなことを深く知りたいと思えるようになります。その点で、図鑑は非常に大きな力を発揮します。
好奇心を刺激する図鑑の世界。親子で楽しんでみてください。
まいにちスクスク「図鑑の楽しみ方」の番組記事
- (1)0歳から2歳ごろ
- (2)2歳から3歳ごろ
- (3)3歳から5歳ごろ
- (4)図鑑の最新事情
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