図鑑の楽しみ方(3)3歳から5歳ごろ
毎年、200以上もの新刊が出ている図鑑。子どもにどんなものを選んで、どう使えばいいのか、迷ってしまうことはありませんか? 子どもは、おもしろいものがたくさんあると知れば知るほど、知的好奇心が高まっていきます。子どもの発達や興味に応じた、図鑑の活用法や楽しみ方を紹介します。
今回は、3~5歳ごろの図鑑です。
講師: 瀧靖之(東北大学 加齢医学研究所 教授)
3~5歳ごろにおすすめの図鑑
3~5歳ぐらいになると、好きなものが少しずつ固まってきます。また、簡単な文字も読めるようになってきます。子どもに好きなものがあるなら、好きなものを扱った、ひとつのテーマで知識を深めるような図鑑がおすすめです。
図鑑「ずかん さなぎ」
昆虫好きの子どもには、さなぎだけを集めた図鑑もいいですね。
黄金に輝く金属のようなサナギ、ギザギザのトゲで体を覆っているサナギなど、マニアックな世界が広がります。きっと、子どもの探求心が刺激されます。
図鑑「じぶんでよめる しょくぶつずかん」
文字が読めるようになったら、「自分で読むこと」をテーマにした図鑑もいいですね。
この図鑑は、植物の名前から解説まで、すべてひらがなとカタカナだけで書かれています。解説もかみくだいた表現になっているので、子ども自身で読み進めることができます。
図鑑の読み比べで知識を深める
知識を深めるには、同じテーマで、複数の図鑑を読み比べるのもおすすめです。同じテーマの図鑑でも、書いてある内容に違いがあります。生態に力を入れていたり、体の大きさや特徴に力を入れていたり、読み比べるだけでも多くの気づきがあります。
例えば、同じ「恐竜」をテーマにした図鑑を見てみましょう。
ティラノサウルスのページを見ると、色や模様が違うことに気づきます。力を入れているポイントも図鑑によって違うので、新しい発見があるかもしれません。
図鑑を効果的に使うには?
知識のアウトプットが大切
回答:瀧靖之さん 子どもは、知識がたまってくると、誰かに話したくなります。人に話すような知識のアウトプットで、ますます記憶が定着して、興味も深くなっていきます。
知識をアウトプットしやすいのが、クイズです。
恐竜が好きな子どもであれば、親子で恐竜のクイズを出し合って、図鑑で答え合わせをしてみましょう。
子どもが出したクイズで親が間違えたりすると、子どもは「親の知らないことを知っている」という優越感を持ち、より学ぶ意欲につながっていきます。身近な模倣の対象である親に、追い付き・追い越せという気持ちは、子どもたちがさらに学ぶ上で、とても大事なのです。
図鑑と連動したクイズブックもあります。持ち運びに便利なサイズが多いので、ちょっとした時間にクイズを楽しんでもいいですね。
瀧靖之さん 子どもたちの自己実現には、知的好奇心が大事な要素になります。子どものころに、とにかく図鑑を見てわくわくする。そして、新しいものを知ることが、とても楽しいと感じる。それが、勉強につながり、仕事につながり、人生につながっていきます。物事に興味を持って見られることが、いちばんの財産だと思います。
まいにちスクスク「図鑑の楽しみ方」の番組記事
- (1)0歳から2歳ごろ
- (2)2歳から3歳ごろ
- (3)3歳から5歳ごろ
- (4)図鑑の最新事情
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