長期入院の子どもについて

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2021/05/15

出典:すくすく子育て[放送日]2021/05/15[再放送]2021/05/22

今回の「すくすく子育て」のテーマは「長期入院・在宅ケアでの子育て」。
まずは、子どもの長期入院に付き添っている、ママからのお便りを紹介します。

入院の付き添いで、ずっと病院に寝泊まり

長女が小児がんで、入院から1年ほどになります。子どもの食事・トイレ・着替えなど、医療行為以外のすべては付き添い者が担うので、24時間ずっと病院に寝泊まりしています。
付き添いの私には食事が出ません。毎日、売店のお弁当です。寝る場所もなく、子どものベッドや 狭い隙間に簡易ベッドを置いて寝るので、常に睡眠不足です。子どもには寄り添いたいけど、私の体調もギリギリだと感じます。
また、娘は入院したことで、幼稚園の退園を余儀なくされました。子どもの成長のためにも、院内保育園があったらと思います。
今はコロナ対策のため、付き添い者以外の入室も禁止になりました。パパが着替えなどを持ってきても、駐車場で会うだけです。家族バラバラの二重生活で、経済的にも精神的にも負担が大きくなっています。
(お子さん4歳のママより)
コメント:小林京子さん

今回、このような声を寄せていただけたことが、大事なことだと思います。実際の付き添いの状況を、広くみなさんに知ってほしいのです。
付き添い者の食事や寝泊まりについても、知らない方が多いのではないでしょうか。中には、付き添い者への食事の提供や、宅配のお弁当を導入している病院もあります。NPOがサポートしていることもあります。しかしながら、多くの場合は、食事の提供が高額であったり、食事を出せないのが現状です。

コロナ禍でわが子に会えない

一方、コロナの影響で、入院中の子どもと会えないという声も届いています。

産まれてから、ずっと入院している息子がいます。親のどちらかが、1日に1時間しか会えません。闘病中のわが子と一緒に過ごせず、だっこもできない、つらい時間が続いています。息子は、ベッドで寝ているだけの時間も長く、発達も心配です。感染予防のためと理解はしていますが、親子が一緒に過ごすことも大切ではないでしょうか。
(お子さん11か月のママ)
コメント:小林京子さん

今は、感染予防と親子関係のはざまで難しい状況にあります。医療機関では、外からウイルスを持ち込まない対策を、きわめて厳格に実施しているため、入院している子どもの付き添いがなかなかできない場合もあります。1日1時間だけでは、本当につらいですよね。
感染対策を十分に講じた上での面会や、もう少し大きくなったお子さんを対象に、病院と家をリモートでつないで面会できるなど、さまざまな取り組みをしている病院もあります。ぜひ、病院同士の情報交換を進めてほしいと思っています。

長期入院の親子をサポートする活動

東京都内を中心に活動している、NPO法人「キープ・ママ・スマイリング」は、子どもが長期入院中の親や家族を支援しています。その活動をみせていただきました。

この日は、病院で付き添う親に弁当を届けるため、都内の病院の小児病棟に向かいました。メニューは、天丼をのり巻きにしたもの。付き添いしながらでも、片手で食べられて、野菜も魚もとれて、冷めてもおいしい。活動に協力している天ぷら屋さんが工夫して作ってくれました。
以前は、病院内で調理して食事を届けていましたが、コロナ禍でできなくなったため、できる形で活動を続けているのです。

コロナ禍で、付き添い者の交代や外出が制限され、これまで以上に親の負担が増えています。そのため、付き添い中の親に、食品などを無償で送る活動「付き添い生活応援パック」をはじめました。全国どこからでも、この団体のホームページから申し込むことができます。
※「付き添い生活応援パック」は、2週間以上の子どもの長期入院に付き添う家族が対象です。毎週月曜10時に受付開始、週の上限数に達したら受付終了です(2021年5月15日現在)

これらの活動は、ほとんどが企業からの寄付で成り立っているそうです。

キープ・ママ・スマイリング理事長 光原ゆきさん

私自身、10年ほど前に、子どもの長期入院に付き添った経験があります。過酷な毎日で体を壊してしまいました。
付き添っている親は、もちろん子どもがいちばん大変だとわかっています。それだけに、自分の大変さに気づきにくく、気づいても誰にも言えません。そんな親たちに、「がんばっているよね、応援しているよ」と声をかける人たちがいてもいいのではないか。その思いで、この活動をはじめました。
病気の子ども達を支えるためにも、親が笑顔でいられるように、支援の輪を広げていきたいと思います。

医療的ケア児の子育て

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