もっと知りたい!母子健康手帳(4)父子手帳ってどんなもの?
妊娠するともらえる母子健康手帳は、赤ちゃんがおなかにいるときから大人になるまでの大切な健康の記録です。母子健康手帳にくわしい、小児科医の中村安秀さんに教えてもらいます。
今回は、父子手帳を紹介します。
講師: 中村安秀(大阪大学 名誉教授/小児科医)
父子手帳のはじまり
母子健康手帳は母親と子どもの健康記録だと思って、あまり身近ではないと感じているパパは少なくありません。
そんなパパのために、1994年に「父子手帖」が出版されました。少子化問題などを背景に、父親の積極的な育児参加を呼びかける動きが少しずつ広がっていったのです。
自治体が発行する父親向けの冊子は、1995年の東京都と石川県が発行したものが始まりだといわれています。2021年3月現在は、多くの自治体で作成されています。母子健康手帳と一緒にもらえる場合もありますが、イベントなどで配布することもあるようです。
父子手帳の内容はさまざま
父子手帳は法律で定められたものではないため、その内容はさまざまです。ネットで見られるもの、ダウンロードできるものも多いようです。
父親ならではの遊び方や地域の遊び場の紹介、パパから子どもへのメッセージ欄や、パパ友の作り方までもりだくさんです。ママが見てもおもしろいかもしれません。
子どもの発達や世話のしかたなど、育児の基本となる情報もまとまっています。
「産前産後の女性の体について」「夫婦のパートナーシップ」「ワークライフバランス」などが多いのも父子手帳の特徴です。
そして、どの父子手帳にも「妻の話を聞こう」と書かれています。夫婦のコミュニケーションを活発にすることが、父子手帳の役割かもしれません。
父子手帳を作ったパパの体験談 NPOが主催するイベントで、夫婦で父子手帳を作ってみました。生まれたときの気持ちや、父親としてできること、ママがパパにお願いしたいことなどを書き込みました。ママも「パパの気持ちを知ることができてうれしい」と言ってくれました。私自身も父親としての自覚が深められたと感じます。
父子手帳と母子健康手帳
父親が子育てに向き合うきっかけになる父子手帳。そして、親子の健康を守る母子健康手帳。その役割は、子どもの成長記録だけではありません。
親が子育てで不安や戸惑いを感じるのは当たり前のことです。でも、母子健康手帳や父子手帳を通して、子育てをひとりで抱え込むのではなく、みんなで共有して、大変さを分かち合うこともできます。そのように、みんなで子どもを育てるための道具として活用していきましょう。
まいにちスクスク「もっと知りたい! 母子健康手帳」の番組記事
- (1)母子健康手帳のキホン
- (2)母子健康手帳を活用しよう
- (3)これからの母子健康手帳
- (4)父子手帳ってどんなもの?
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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