あなたのお子さんは、ストレスを抱えていませんか? 子どもたちは保育園などへの入園、家の引っ越し、きょうだいの誕生など、環境の変化でストレスを感じることがあります。子どもがストレスを感じたときどうすればいいのでしょうか。
今回は「幼児期後半(4〜5歳ころ)」のメンタルケアについて、立花良之さんに教えてもらいました。
講師: 立花良之(国立成育医療研究センター こころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科 診療部長) 乳幼児期の子どものメンタルヘルスにくわしい。
まだ気持ちを十分に表現できない
4〜5歳になると、幼児期前半に比べて話も上手になってきます。でも、まだ自分の気持ちを十分に表現できるとは限りません。
保育園・幼稚園への登園をしぶったり、朝に「おなかが痛い」と体の不調を訴えるなどが、よくあるストレスのサインです。
子どもの社会が広がり複雑化する時期
この時期は、家庭の外に子どもたちの社会が広がり、ストレスを感じる事柄も増えてきます。乱暴になる、園に行きたがらないなど、ストレスのサインがまわりの人との関係に表れることもあります。
そんなときは責めたりせずに、子どもの気持ちを聞いて話し合いましょう。
ストレスには適度な運動を
それでも気持ちがおさまらずにストレスが続いているときは、適度な運動がおすすめです。元気な子どもだけでなく、気持ちが落ち込んでいる子にも効果があります。体を動かすと、不安が和らいだり、イライラがおさまったり、心の鎮静作用も期待できます。
手軽にストレスを軽減する方法
親子で一緒にリラクゼーションを行うと、とても効果が出る場合もあります。手軽なストレス対処法でもある、深呼吸を使った方法を紹介します。
花とろうそく
情報提供:カタリバオンライン
「花とろうそく」は、人さし指を花やろうそくに見立てて、深い呼吸を行う方法です。
まず、指を花に見立てて、匂いをかぐように鼻から息を吸い込みます。ろうそくに見立てたときは、ろうそくの火を静かに消すように口から息を吐き出します。これらで、深い呼吸の感覚を身につけます。
深呼吸を繰り返していると、脳にセロトニンという精神の安定に深く関わる神経内分泌物質がたくさん出るので、子どもにも親にもリラックスの効果があります。
鼻だけで深呼吸する方法
「花とろうそく」ができるようになったら、ステップアップして鼻だけで深呼吸する方法も試してみましょう。
まず、肩を後ろに引いて胸は開き気味に。これで深い呼吸がしやすくなります。鼻から息を吸い込み、1秒止め、ゆっくりと鼻から息を吐き出します。これを1分以上繰り返すと効果的です。
※息を止める時間は、お子さんに合わせて秒数を調整してください
この方法は、鼻で深呼吸することがポイントです。鼻の呼吸に意識を向けることで、その間は嫌なことや大変なことから離れることができます。それ自体も心の安定に効果があるのです。
子どもが深呼吸するときに背中や肩をなでてあげると、安心感が増して、さらに効果が高まります。
毎日続けることで心の健康予防になります。
まいにちスクスク「親と子のメンタルケア」の番組記事
- (1)赤ちゃん(0〜1歳ころ)
- (2)幼児期前半(2〜3歳ころ)
- (3)幼児期後半(4〜5歳ころ)
- (4)親のセルフケア
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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