体調が悪いときの食事(4)鼻水・鼻づまり
熱があったり、食欲がなかったり。子どもの体調が悪いとき、何を食べさせればいいのでしょうか。また、食べさせないほうがいいものはあるのでしょうか。病気のときの食事にくわしい、細田明美さん(管理栄養士)に教えてもらいます。
今回は、鼻水、鼻づまりのときの食事です。
講師: 細田明美(東京医療保健大学 講師/管理栄養士)
医療監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 医長)
鼻水・鼻づまりのときのポイント
鼻がつまっていると飲み込みづらいことがあります。食べられないなら無理に食べさせなくてもいいでしょう。水分は、少しずつこまめにあげてください。
熱い食べ物の湯気で、鼻の通りをよくするといいのですが、子どもは熱いものは食べられませんよね。少し冷ましてから、のど越しのよいものをあげましょう。
即席ねぎみそ
ねぎには、鼻づまり・鼻水のほか、かぜの症状全般に改善効果があります。
冷蔵庫で3~4日保存できるので、多めに作って活用しましょう。
<材料(作りやすい分量)>
- 長ねぎ
- 1本
- みそ
- 大さじ2
- 削り節(かつお)
- 1パック
<作り方>
作り方は簡単です。
長ねぎをみじん切りにして、みそ・削り節を加えてよく混ぜ合わせれば、できあがりです。
※冷蔵庫で3〜4日、保存できます。
お湯で薄めると、即席のみそ汁ができます。めんのつゆやおかゆの味付けにも使えます。
アレンジ・レシピ にんじんみそ
<材料(作りやすい分量)>
- にんじん
- 1/2本
- バター
- 5g
- みそ
- 大さじ2
- 削り節(かつお)
- 1パック
<作り方>
にんじんをよく洗って皮ごとすりおろします。
温めた鍋にバターを入れて溶かし、弱火でにんじんを炒めて汁気を飛ばします。
みそ・削り節を加え、よく混ぜ合わせ、火を止めればできあがりです。
お湯で薄めて即席みそ汁にしたり、おかゆやおじやに入れたり、うどんやにゅうめんのつゆ、おにぎりの具やみそだれなど、ふだんのごはんにも使えます。
塩分を多く含むので、食べ過ぎには注意しましょう。
豆腐とブロッコリのやわらか煮
のどごしがよい豆腐とビタミンCが豊富なブロッコリの煮物も、おすすめです。
<材料(1人分)>
- 絹ごし豆腐
- 40g
- ブロッコリ
- 30g
- だし汁
- 100ml
- しょうゆ
- 小さじ2/3
- 砂糖
- 小さじ1/4
- かたくり粉
- 小さじ1/2
- 水
- 小さじ2
<作り方>
ブロッコリは小さめの小房に分け、やわらかくゆでます。ゆでた後に、冷水にさっとさらすとよいでしょう。
水を切ったブロッコリを、さらに子どもが食べやすい大きさに切ります。
豆腐は1cmのさいの目切りにします。
だし汁・ブロッコリを火にかけ、煮立ったら弱火にし、調味料(しょうゆ・砂糖)を加えて、さらにブロッコリがやわらかくなるまでゆでます。
※加熱は最小限にして、煮過ぎに気をつけましょう。
豆腐を入れ、ひと煮立ちしたら火を弱め、水溶きかたくり粉を回し入れてとろみをつけます。
かたくり粉のとろみで食べやすくなります。小さい子には、冷ましてあげましょう。
トロトロたまねぎとしょうがのスープ
たまねぎには、血行をよくする成分が含まれ、鼻水・鼻づまりなど、鼻の不快な症状が改善されます。しょうがは、体を温める効果があります。
刺激が強いため、1~2歳のうちは少量の汁を加熱したもの、3〜4歳以降は細かく刻んで加熱したものをあげましょう。
<材料(作りやすい分量)>
- たまねぎ
- 1/2個(100g)
- オリーブ油
- 小さじ1
- 顆粒(かりゅう)スープのもと
- 2.5g
- 水
- 2カップ(400ml)
- 塩
- 少々
- しょうが汁
- 小さじ1/2
<作り方>
たまねぎは、繊維にそって薄切りにします。
温めた鍋にオリーブ油を入れ、たまねぎをしんなりするまで炒めます。焦がさないように気をつけてください。
※時間がないときは、電子レンジで加熱してやわらかくすると簡単にできます。
顆粒スープのもとと水を加え、ひと煮たちさせたら火を弱め、たまねぎがとろとろになるぐらいまで煮ます。
塩で味付けをして、しょうが汁を入れ、火を止めたらできあがりです。
大人や大きい子には、千切りにしたしょうがを入れて、塩・こしょうで味付けすれば、体も温まるスープになります。
具だくさん汁
子どもの看病に追われて、家族全員が体調を崩したら大変です。家事に余裕がないときでも、かんたんにたくさん作れて、元気になるものを食べるようにしましょう。
そこで、家族みんなで元気になる、具だくさんの汁物、煮込みうどんを紹介します。
<材料(作りやすい分量)>
- 鶏もも肉
- 50g
- 大根
- 3cm
- にんじん
- 1/3本
- さといも
- 2個
- ねぎ
- 大さじ1
- しいたけ
- 2個
- 木綿豆腐
- 1/2丁
- だし汁
- 4カップ(800ml)
- ごま油
- 小さじ2
- しょうゆ
- 大さじ1・1/2
- 塩
- 少々
- ゆでうどん
- 適量
※野菜は、家にあるものや冷凍野菜などを使っても構いません。
<作り方>
鶏もも肉は1cm大に切ります。
さといも・大根・にんじんは、皮をむき半月切りにします。ねぎは小口切りに、しいたけは薄切りにします。
豆腐は1cm角に切ります。
鍋でごま油を温め、鶏もも肉を炒め、表面の色が変わったら、さといも・大根・にんじんを加えて炒めます。
油がなじんだら、しいたけ、だし汁を加えます。
煮立ったら火を弱め、さといもや野菜がやわらかくなるまで煮ます。
最後に豆腐とねぎを加えて、しょうゆと塩で薄めに味付けしたら、具だくさん汁のできあがりです。
体調を崩した子どもには、煮込みうどんを作りましょう。汁を取り分けて、短く切ったうどんを入れ、やわらかく煮込めばできあがりです。
具だくさん汁をまとめて作っておくと、食事を作る手間が省けて、手軽に栄養もとれます。病気の子のごはんにも、家族のおかずにもなりますね。
体調が悪くなったときに、「病気だから」「体にいいから」と、今までに食べたことのないものをあげても、子どもは食べたがらないことがあります。
食べてはいけないものに注意しながら、ふだんのごはんをアレンジできるといいですね。
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