感染症の消毒方法
病原体によって違う。効果的な消毒方法
解説:松永展明さん
病原体の種類によって、効果的な消毒方法が違います。
これは、消毒・除菌方法をまとめた表です。例えば、石けんでの手洗いは、上記すべてのウイルスに有効です。一方で、アルコール消毒液は、新型コロナウイルスには有効ですが、ノロ・ロタのような胃腸炎のウイルスには効きません。胃腸炎に関しては、地道な手洗いが非常に大切になってきます。
排せつ物やおう吐物の処理のしかた
解説:日沼千尋さん
ウイルス性胃腸炎にかかった人の排せつ物やおう吐物を処理するとき、基本となるのは「直接触れない」と「消毒」です。
消毒液の作り方
消毒液は、水500mlに対して、ペットボトルのキャップ2杯分の家庭用の塩素系漂白剤を混ぜて作ります。
ここで、塩素系漂白剤を薄めた消毒液について注意点が3つあります。
①消毒液は使い切る
作った消毒液は、時間がたつと効果が弱まるので、その都度使い切りましょう。
②ほかの薬品と混ぜない
酸性のものと合わさると、有毒ガスが発生します。絶対にほかの薬品と混ぜないでください。
③十分な換気をする
消毒液の成分は体によくない場合があるので、十分に換気をして使いましょう。
床の掃除
床を掃除するときは、手袋をして、汚物にペーパータオルなどをかぶせます。
※手袋はビニール袋と輪ゴムで代用できます
消毒液を、浸すぐらいにたっぷりかけてから、しっかり取り除きましょう。
バケツにポリ袋をかけておき、この中にごみを捨てます。手袋も一緒に捨てましょう。こうすることで、感染源となるものを一か所に閉じ込められます。さらに、袋を2重にして捨てるとよいでしょう。
衣類の場合
衣類の場合は、大きな汚れを落とした後、消毒液に15分ほど漬けてから洗濯機で洗います。ほかの人の衣類とは、分けたほうがよいでしょう。
※消毒液に漬けるとき、色落ちに注意してください
洗えないものの場合
いすなど、洗えないものの場合は、床の掃除と同様に、ペーパータイルと消毒液を使いながら汚物を取り除きます。取り除いた後は、捨ててもいい布でポンポンと叩いて拭き取ります。
他にもスチームアイロンを使った消毒方法があります。
ノロウイルスは、85度以上の熱1分間で、死滅するという研究結果があります。スチームアイロンを「高」にして2分間当てると、実際にその状態が作れるといわれています。子どもがいる家庭では、くれぐれもやけどに注意してください。
最後に、排せつ物やおう吐物の処理が済んだら、石けんでしっかり手を洗いましょう。
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