どう答える? 子どもからの質問(1)素朴な質問
子どもは、ほんとにいろんな質問をしてきますよね。どう答えてよいのか、戸惑うこともあると思います。子どもの質問をどう受け止め、どう答えたらいいのか。専門家のみなさんと考えます。
今回のテーマは「素朴な質問」です。
専門家: 坂上裕子(青山学院大学 教育人間科学部 教授/発達心理学) 久保山茂樹(国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員/臨床発達心理士) 宮里暁美(お茶の水女子大学 教授/保育学)
どんなふうに答えたらいいの?
みなさんは、「タンポポはどうして黄色なの?」のような素朴な質問をされたとき、どんなふうに答えていますか?
●自分が当然だと思っていたことを聞かれると、きちんと答えを言えないことがあります。
(5歳・1歳 女の子のご家族)
(5歳・1歳 女の子のご家族)
●パパは「先生に聞いてこらん」と言って、ごまかしていました。
(6歳 女の子、4歳 男の子のご家族)
●子どもに芽生えた好奇心に応えてあげたいので、ひとつひとつの質問に、真面目に考えて答えています。
(2歳11か月 男の子のご家族)
●何を答えても「なんで?」と返ってきます。意味もなく、合言葉のように「なんで?」と言ってくることが、いまだにあります。
(6歳 男の子、4歳 女の子のご家族)
きちんと答えてあげたいけど、いつも、というわけにはいきませんよね。
専門家のみなさんに聞いてみました。
正解にこだわらず、思いを受け止めて分かち合うだけでも十分
坂上裕子さん このような素朴な質問をしてくるときは、必ずしも科学的に正しい答えを求めているわけではありません。自分が知ったことや考えて楽しかったことを、大事な人に伝えたい・共有したいと思って、「どうして」「なんで」と聞いてくる場合が多いのです。 質問が出ている時点で、子どもの中で好奇心が育っているはずです。まずは、子どもの伝えたい気持ちを受け止めて、分かち合うだけでも十分ではないかと思います。「どうしてなんだろうね」と言って、一緒に考えたり、おもしろがったりしてみましょう。
「なんで?」という質問は、子どもの成長の証し
久保山茂樹さん 「なんで」ということばが出てくるのは、2歳半ぐらいからが多いと思います。これは、子どもの発達にとって、とても意味がある表れなんです。ことばは、まずコミュニケーションの道具として使われます。「なんで」が出てくるのは、ことばで考え始めた、ことばを思考の道具として使い始めた証拠なんです。
急いで答えない・何通りかで答える・「どう思うの?」と聞く
宮里暁美さん 子どもから何かを聞かれたら、急いで答えないで、何通りかで答える、そして「どう思うの?」と聞き返すようにしています。「どう思うの?」と聞くのは、子どもなりの考えを持っていることがあるので、それを引き出すためでもあります。ゆっくり、複数の可能性を示しつつ、問いかけて、「もっと知りたいね」となったら調べてみる。そのような答え方もあると思います。
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