子育ての疲れ(2)人の目が気になってしまう
子どもはかわいい、でも子どものペースに振り回されたり、言うことを聞かなかったりして、疲れてしまう…… そんな悩みが、多くの親から番組に寄せられました。そこで、親子の心理を研究してきた大日向雅美さんに話を伺います。
今回のテーマは「人の目が気になってしまう」です。
専門家: 大日向雅美(恵泉女学園大学 学長/発達心理学)
子育てに疲れている方へのメッセージ
親が育児の適性を持っている、特にお母さんに対してそのようなイメージがありますが、その前提自体がおかしいと思ってください。「子育ては疲れて当たり前」と考えて、自信を持って自分自身を認めてほしいと思います。
(大日向雅美さん)
電車の中で子どもがぐずると、いたたまれない
—— 子どもと電車に乗るときは、いつも電車の中でぐずって泣いたらどうしよう、と強い不安を感じます。絵本やお菓子をカバンに入れておくなど、子どもが泣いたときの準備はしていますが、泣き声で迷惑がかからないか、まわりの人のことが気になって疲れてしまいます。
人の目の中に好意もある。ひと声かけてみる
大日向雅美さん 人の目を気にすることは、決して悪いことではありません。どんな場面で、どのように気にするのかによりますね。 まず、子どもが泣いても、「子どもは泣いて当たり前だ」と親がしっかり思うことが大切です。その上で、まわりを見渡してみましょう。 体調が悪いなどの事情があって、子どもの泣き声を聞くのがつらい、という人もいらっしゃる。でも、人の目に中には、こちらを心配してくれる人、「助けてあげたいな」と思っている人もいるはずです。そこで「ご迷惑をおかけします。すみません」と事前にお断りをすることで、手を貸してもらえるきっかけになったり、迷惑だと感じている人の目が変わったりするかもしれません。
SNSを見て落ち込んでしまう
—— SNSで他のママの投稿を見ると、落ち込んでしまいます。例えば、すてきな料理を作っている投稿を見て、私はたいしたごはんを作ってないな、と比較してしまいます。
他の人だって自分と同じ。いつも完璧ではない
大日向雅美さん 自分だったら、どういうときにSNSに投稿するのか、想像してみてください。子どものかわいい笑顔が撮れたとき、部屋を片づけてきれいにしたとき、頑張った料理がうまくできたとき。そんな、頑張ったときや、特別なときに投稿するのではないでしょうか。 それは他の人も同じです。いつも、SNSに見えるような、完璧な生活をしているわけではないんです。だから、SNSできれいな写真や、おいしそうな料理を見たときは、この人も頑張ったんだな、と思いましょう。それぐらいの余裕が持てるといいですね。 自分から散らかった部屋の写真を投稿することなんかないな、とわかれば、肩の力が抜けるのではないかと思います。
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