道具を使って食べたり、着替えをしたり、子どもにとって器用に体を使うことは難しいものです。遊びを通して、楽しみながら体の使い方を身につけていきましょう。
動きをまねるのが苦手だったり、よくつまずいたり、子どもの動きがぎこちないと悩んでいませんか? 今回は「体をスムーズに動かす」ための土台を育む遊びです。
講師: 高畑脩平(白鳳短期大学 講師/作業療法士)
体をスムーズに動かすには
よくつまずいたり、物にぶつかりやすいのは、「ボディイメージ」がうまく捉えられていないからかもしれません。ボディイメージとは、自分の体の輪郭や大きさのイメージ、体をどこまでどのように動かせるのかのイメージです。
ボディイメージは、体をスムーズに動かすための土台になります。
体の輪郭や大きさのイメージの土台となる遊び
体の輪郭をイメージするには、「触覚」がポイントになります。
大きな口に見立てたマットに、子どもたちがはさまったり、マットを押し返したりする遊びです。
マットではさまれたり、シーツで包まれたり、触覚を刺激する遊びを行うことで、体の輪郭がイメージしやすくなると考えられます。
子どもたちに大人気のシーツを使ったブランコも、シーツにくるまれることで体の輪郭のイメージが養われます。
※大人と一緒に、安全に配慮して遊んでください。
体を動かすイメージの土台となる遊び
体を上手に使うには、「自分の体がどこまでどのように動くのか」というイメージも大切です。
例えば、平均台をくぐる遊びは、頭や体がぶつからないようにするため、自分の体の大きさや動きの範囲に自然と意識が向けられます。
ボルダリングや木登りなど、よじ登る遊びもおすすめです。登るときに、「ここに足を置いたら、次は手をどこにおこう?」「あの石をつかむには、どれだけ手を伸ばせばいいかな?」など、意識しながら体を動かすことで、自分の体がどこまでどのように動くのかというイメージを養うことができます。
※安全に配慮して遊んでください
家庭では、パパやママの体によじ登る、腕にぶら下がるといった遊びで体の感覚を養ってみましょう。
ボディイメージがあいまいな子どもの中には、運動をすること自体に抵抗を感じている場合があります。そんなときは、子どもたちにとって「楽しい」と思える遊びになっているかを意識してみましょう。例えば、好きなキャラクターになりきることで、やる気が出ることもあります。楽しんで取り組める活動からはじめて、徐々に難易度を上げていきましょう。
体の器用な使い方は、遊びの中で身についていきます。お子さんが「楽しめる遊び」を見つけてください。
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