絵本に親しんでほしいと思っても、子どもが興味を示さないことはありませんか? 絵本の選びかたや読みかたがわかれば、絵本の時間がもっと楽しくなりますよ。
今回は、0~1歳ごろの絵本の楽しみかたを紹介します。
講師: 代田知子(埼玉県三芳町立中央図書館 館長) 司書として30年以上活動。これまで読み聞かせの会などで多くの親子に絵本についてのアドバイスを行ってきた。
絵本の選びかた(0~1歳ごろ)
まだことばがわからない赤ちゃんでも、絵本の「絵」と「音」を感じることは、とても楽しい体験となります。この時期の絵本選びは、「絵と音の変化が楽しい」がポイントです。
「絵」のポイント
赤ちゃんの視力はまだ弱く、近くのものでもぼんやり見える程度です。細い線や淡い色も認識しづらいので、シンプルで、色のコントラスト・形がはっきりしている絵がわかりやすいと思います。背景がすっきりして、見せたいものだけがはっきり描かれている絵本がよいですね。
「音(ことば)」のポイント
赤ちゃん向けの絵本は、読み聞かせるときに、歌うような、リズミカルな音になる絵本がおすすめです。赤ちゃんは「ぱぴぷぺぽ」の破裂音や、「カンカン」「ブーブー」などの擬音語が大好きです。これらは、特に赤ちゃんの耳に入ってきやすい楽しい響きなのです。
絵と音が楽しい絵本
『じゃあじゃあ びりびり』
わかりやすい絵と、リズミカルな音がつまった絵本です。
ページをめくるたびに、シンプルな絵が鮮やかな色彩で広がり、絵にあわせた擬音語が聞こえてきます。
『いない いない ばあ』
長く読み継がれている、絵と音の変化が心地よい絵本です。シンプルな絵で、次々と動物が現れて「いないいないばあ」をしてくれます。
<もうひとつのポイント:アイコンタクト>
この絵本には、もうひとつ赤ちゃんが好むポイントがあります。その秘密は「アイコンタクト」。赤ちゃんは、両目と口を見て「顔」だと認識します。赤ちゃんは顔が大好きで、顔だとわかるとじっと見つめます。
この絵本の動物たちは真正面からじっと見つめてくるので、赤ちゃんも目が離せなくなるのです。
絵本の読みかた・楽しみかた
赤ちゃんの視力はまだ弱いので、絵が見えるようになるべく絵本を近づけます。それから、優しく語りかけるように読みましょう。読みかたのコツは、しっかり間をとること。赤ちゃんは、目から入ってくる情報をすばやく処理できないので、絵をゆっくり見せる間が必要なのです。
例えばこのページ。「にゃあにゃが ほらほら いないいない」と読み終わった後、間をとってページをめくります。めくった後も、ひと呼吸おいて「ばあ」と読みます。読み終えたら、再び間をとりましょう。
愛情たっぷりの声で読み聞かせると、赤ちゃんはとても安心して幸せな気持ちになります。
絵本の中にある楽しいことばやきれいなことばを、親子で楽しんでくださいね。
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