「ワクワクドキドキ」って、どうすればできるのでしょうか。
子どもが「ワクワクドキドキ」する活動を7年前から実践している保育園を訪ねました。
体操で体をほぐした後、一斉に「じゃれつき遊び」がはじまります。
3歳から5歳までの子どもたちと先生が、大声を出したり、抱きついたり、追いかけっこしたり、好きなように遊びます。マットを台にしてジャンプする、マットに体当たりするなども、子どもが自分たちで考えました。
大人は危ないことがないよう注意しながら、本気で相手をします。激しすぎるのではないかと思う遊びもありますが、これまでに大きなけがはありません。遊ぶなかで自然に加減を覚えていくようです。
15分たつと、遊びは終了。大きな声で指示をしなくても、子どもたちはあっさり集まって片づけ始めます。
部屋に戻ると、次の活動にスムーズに移ります。気持ちの切り替えも上手にできているようです。
じゃれつき遊びをはじめて7年。子どもたちにはどのような変化があったのでしょうか。
園長「子どもたちが転んだときに(体を支えるために)手が出るとか、友達同士でぶつかりそうになったときに体をそらすとか、そういうことが自然にできていることが見ていてわかりますね」
このほかにも、次のような変化があったと言います。
・けがが減った。
・運動能力が上がった。
・遊びで満足するので、ふだんの落ち着きが生まれ、活動に集中できるようになった。
思いきりじゃれあうことで、心も体も元気になっていくんですね。
「ワクワクドキドキ」することで心にもよい影響がありそうです。
コメント:野井真吾さん まさに「ワクワクドキドキ」していますね。子どもたちが興奮をむき出しにして、自ら遊んでいます。あの瞬間に、体だけでなく心も開かれて、心の身体的基盤である前頭葉を育てることに役立っているのではないかと思います。
「逆さま」「回転」などの動きが経験できることが効果的。
コメント:吉田伊津美さん 遊びながら、逆さまになったり、回転したりしていますから、さまざまな動きの感覚を身につけていると思います。ただ動きを身につけさせようと思ってやらせるのではなく、楽しくやっているうちに、結果として動きもいろいろと育っていくというスタンスがいいと思います。
家でできる「じゃれつき遊び」のヒント
じゃれつき遊びの準備
・部屋を片づける
・アクセサリーやめがねは外す
・服のファスナー(金具)やひもなどに注意する
・はだしになるほうがよい(爪を切る)
・目に指などが入らないよう注意する
空飛ぶじゅうたん
シーツや毛布など大きな布の上に子どもが寝転がり、落ちないようにしっかり包み込みます。ゆっくり持ち上げて左右に揺らします。様子を見ながら、はじめはゆっくり揺らしましょう。
動くじゅうたん
布の上に子どもが座り、落ちないように、子どもはしっかりと布を持ちます。大人がそれを引っ張ります。しっかり布を握れない時期の子どもは、布で体ごと包んでから引っ張りましょう。
グーパージャンプ
大人は座って、足を開いたり閉じたり。子どもはその中に入って足でグー、パーとジャンプし、大人の足をとび越えます。子どもがとびやすいように、足の開きを調整しましょう。
空までジャンプ
向かい合って手をつなぎ、1、2、3でジャンプ! タイミングを合わせて大人は手を少し上に上げます。子どもは自分だけでジャンプするよりも高くとぶことができます。子どもの肩や手首をいためないように注意しましょう。
空中散歩
大人と両手をつないで歩きながら、1、2、3で子どもはジャンプ、タイミングを合わせて持ち上げます。子どもの肩や手首をいためないように注意しましょう。
ぐるりんぱ
向かい合って手をつないだまま足で登って、逆上がりのようにそのままぐるっと回転します。
おさるの木登り
「ぐるりんぱ」が簡単にできるようなら、「おさるの木登り」をしてみましょう。大人が木になって、子どもはおさるさんになります。木にしがみついて周りをぐるっと一周します。子どもがしがみつきやすいように大人が体を動かしてあげてもいいですね。
じゃれつき遊びにルールはありません。好きなように思いきり動く遊びです。まずは、だっこ、くすぐりっこ、子どものまねから始めましょう。体を使ったスキンシップ遊びを、朝、布団の上で5分間やってみるのもおすすめです。
※夜、寝る前だと、興奮して眠れなくなってしまうことがあるので避けましょう。
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