子どもの不思議な行動(4)子どもの困った行動
大人にはなかなか理解できない子どものちょっと不思議な行動。その行動にはどんな意味があるのでしょうか。子どもの愛着関係や社会性の発達に関する研究をしている遠藤利彦さんに教えてもらいます。
今回は、子どもたちの「困った行動」について。
講師: 遠藤利彦(東京大学大学院 教授/発達心理学) 科学者が仮説を立てて実験するように、子どもは遊びの中でいろいろなことを試しながら世界のことを学んでいきます。
取り合い
ふたごの兄弟が、お菓子の袋を取り合いしています。どうして取り合いになるのでしょうか。
(11か月 双子の男の子)
他の人との関わりのなかで人間関係を学ぶ
まだ、人とのやりとりがスムーズにできない子どもにとって、言い争いやもめ事はつきものです。でも、こうした人との関わりの中で、人間関係や相手の気持ちなどを学んでいきます。
親が言ってほしくないことを連呼する
いたずらざかりの息子は、テンションが上がると大声を出したり暴れたり。手がつけられません。一番困るのは、「おちんちんまん」のような、親が言ってほしくない言葉を何度も言うこと。何が楽しいのでしょうか。
(4歳9か月 男の子)
仲間意識を深めるため、大切な役割になることも
このぐらいの年齢だと、男の子同士の友だちと遊ぶときに、このような言葉が共通のトピックになることもあるでしょう。同じ話題を楽しむことで、仲間意識を深めるような大切な役割を果たしていることも考えられます。
大人からすると困った言葉を使いたがるのは、不自然なことではなく、多くの子どもにみられるものです。こういった発達のプロセスもあるんだと考えてください。
楽しく遊ぶことが一番大切 私達は、大人になると暗黙の内に常識という枠で子どもの行動を見てしまい、「不思議」だと感じることがあります。ですが、「何でもあり」なのが子どもの世界です。子どもが楽しく遊ぶこと自体が、子どもの成長にとって一番大切な意味を持ちます。そのように受け止めていだだけるといいですね。 (遠藤利彦さん)
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