子どもの不思議な行動(3)◯◯にこだわる
大人にはなかなか理解できない子どものちょっと不思議な行動。その行動にはどんな意味があるのでしょうか。子どもの愛着関係や社会性の発達に関する研究をしている遠藤利彦さんに教えてもらいます。
今回は、子どもたちの不思議な「こだわり」について。
講師: 遠藤利彦(東京大学大学院 教授/発達心理学) 科学者が仮説を立てて実験するように、子どもは遊びの中でいろいろなことを試しながら世界のことを学んでいきます。
足が気になる
最近、足の裏を見たり触ったりして、何度も確認しています。何か刺さったのかと、心配して病院で診てもらいましたが、異常はありませんでした。
(1歳2か月 女の子)
複雑な動きができてうれしい
自分の足をつかんで、手指で触る動きをみると、手と足の動きをバランスよく調整できるようになってきていることがわかります。このように2つ以上の器官が連動して1つの動きを作ることを「協応」といいます。子どもは、複雑で高度な動きができてうれしいのかもしれません。
ボタンが気になる
このズボンを履くと、ズボンのボタンが気になるようです。ずっと飽きずに触っては大笑いしています。何がそんなに楽しいのでしょうか?
(7か月 男の子)
子どもにとっては、すべてがおもちゃ
子どもにとっては、すべてがおもちゃになります。この場合は、ボタンで遊ぶことが面白いのです。ボタンを触ったり、見たり、音を鳴らしてみたりしながら、「これはどんなものだろう」ということを知っていきます。
電車の見方にこだわる
乗り物のおもちゃが大好きで、電車のおもちゃで遊ぶときはいつもこの姿勢。どうして寝転んでいるのでしょう。
(2歳9か月 男の子)
いろいろな視点から見ることで「発見」を楽しんでいる
いろいろな角度から電車を見ることで、子どもは「発見」を楽しんでいると思います。ただ上から見るよりも、この姿勢で見るほうが、臨場感があるのでしょう。「もし、この電車に乗ったらどんな気分だろう」と想像し、いろいろな姿勢を試して、できるだけ低いところからじっと見る、ということかもしれません。
興味を持ち没頭する時間は大切 子どもが何かに興味を持って没頭している時間。それは、大人には不思議な行動に見えても、子どもにとっては大切な時間です。興味を持って、自分で動かしたり音を鳴らしたり、遊びの中で頭を使っています。自発的に遊びに没頭していると、頭の中でいろいろなことが起きているのです。子どもにはそのような経験が重要です。 (遠藤利彦さん)
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