子どもの不思議な行動(1)不思議なからだの動き
大人にはなかなか理解できない子どものちょっと不思議な行動。その行動にはどんな意味があるのでしょうか。子どもの愛着関係や社会性の発達に関する研究をしている遠藤利彦さんに教えてもらいます。
今回は、子どもたちの「不思議なからだの動き」について。
講師: 遠藤利彦(東京大学大学院 教授/発達心理学) 科学者が仮説を立てて実験するように、子どもは遊びの中でいろいろなことを試しながら世界のことを学んでいきます。
足をバタバタさせる
足を上げて、床に自分の足を打ちつけるようなことを繰り返します。この動きにどういう意味があるの?
(8か月 女の子)
まだ、お座りもハイハイもできませんが、自転車をこぐように足を激しく動かします。なぜこんな動きをするのでしょう。
(7か月 女の子)
歩く前段階として筋肉を使っている
7~8か月ごろの赤ちゃんは、手足に筋肉がついてきて、もうすぐ立って歩けるような時期です。自分の意思で体を動かせることがうれしくて、「自分はこんなことができる」と発見していく段階だといえます。積極的に足を動かすのは、歩く前段階として筋肉を使っているからではないかと思います。
ブリッジする
生後4か月くらいから、首を使ってブリッジをするようになりました。1日に何回も、朝起きてすぐにすることもあります。
(7か月 女の子)
もっと動きたくて、ウズウズしている状態
このような姿勢がとれるのは、首や背中にしっかり筋肉がついてきているから。体が動くようになってきて、できればもっと動きたいけど、まだ発達が十分ではないので、ウズウズしている状態です。
赤ちゃんは、自分の意思で体の向きを変えられるようになると、目に見える世界が飛躍的に広がります。そのことに気づくと、もっと体を動かしたくなるのです。
ブーブーと唇を震わせる
唇を震わせて「ブーブー」と音を出すことにはまっています。どうしてなんでしょう。
(10か月 女の子)
偶然出た音が面白くて、自発的に繰り返している
最初は偶然だと思います。たまたま息をはいたときに「ブー」という音がして面白かった。その音をもう一度聞きたくなって、同じ動きをやってみる。偶然出た音を、自発的に出そうと繰り返しているのです。
赤ちゃんは毎日学んでいる 赤ちゃんは、いろいろと体を動かしてみて、自分にできることを確かめながら、体の動きを身につけていきます。言ってみれば、赤ちゃんは毎日学んでいるんです。 (遠藤利彦さん)
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