保育現場で聞く 子どものあるある行動
大人にはなかなか理解ができないけれど、子どもたちがよくする行動にはどんなものがあるのでしょうか。保育現場で、日々子どもに関わっているみなさんに聞いてみました。
第3位 棒を持ち歩く
木の枝など棒を持って歩くのが好き。長い棒は引きずりながら歩いたり、手で持てる長さの棒を拾ってたくさん集めたりしています。
子どもは棒状のものが大好きで、棒がついている道具もお気に入りです。
生き物を捕る網も大好き。枝に糸をつけた釣りざおでザリガニ釣りも楽しみます。
コメント:遠藤利彦さん 棒を握って思い通りに動かせるのは、自分の力がこれだけついているということで、誇らしい気持ちの表れかもしれません。それから、自分の手では絶対届かない高いところでも、棒を使えば届くこともあるでしょう。自分の手で触るにはちょっと怖いけど、棒なら触れることもあるかもしれません。釣りざおで糸を垂らせば魚を釣れる、網を付ければ虫を捕れる。棒って、いろいろな遊びの道具の基本中の基本なんだと思います。
第2位 水を勢いよく飛ばす
蛇口をいっぱいにひねって水を勢いよく飛ばすことは、子どもにとって何ものにも代えがたい喜びのようです。
コメント:遠藤利彦さん 水も、子どもにとってはあらゆる可能性に開かれている遊び道具と考えることができます。音も、感触も楽しい。太陽が水に映ると、ピカピカしてキラキラして、すごくきれいですね。水の楽しさは、一人だけでも楽しめますが、たくさんの子どもが同じ楽しみを共有できることも魅力なのかもしれません。
第1位 高いところに登る
高いところに登ったり、そこから飛び降りたり。
「できた!」という体験は楽しいし、魅力的です。
コメント:遠藤利彦さん 赤ちゃんのときには全く動けなかったところから、ハイハイ、よちよち歩きができるようになります。さらに手を使って、高いところに登れるようになるということは、どんどん運動能力が発達していくということです。動けるようになると、実は、見えるものも聞こえるものも違ってきます。今まで見たことのないものを見てみたいという気持ちがあるんだと思います。また、自分よりも少し年齢が上の子どもが高いところから飛び降りるのを見ると、「あんなところから飛び降りることができてすごい」と憧れます。自分はまだできないと思っていたことができそうだなと思ったところで、「じゃあ自分もやってみようかな」と実際にチャレンジします。飛び降りることができると、「お兄ちゃんやお姉ちゃんと同じことができるようになった」と、子どもはそこで誇らしく思うわけです。
こんなあるある行動も
せまいところが大好き!
そのほかにも、壁と棚の隙間やとび箱の中などせまい空間を見つけたり作ったりしてそこに入ります。
おもちゃも全部出します!
おもちゃをカゴから全部出すのも大好きです。
子どもの好奇心につながる「好き」をおおらかに見守って、面白がってほしい。
コメント:柴田愛子さん 私の園でもそうですが、子どもたちの自由なふるまいに、私でも時々あきれてしまうことがあります。でも、子どもたちはとても楽しそうです。子どもたちが楽しいと思うことには、私は意味があると思っています。「今、これに魅力を感じている」ということだと思うのです。「楽しい」「好き」と思うことは、人間にとって大事なことで、それが好奇心につながっていく。 これは、私たち大人にも言えることですが、人間にとって「好き」というのは、つかみどころのない個人差の大きい感覚です。「今、この子はこれが好きなのね」と、おおらかに見守って、面白がってほしいですね。
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