ことばを学ぶための3つのステップ
子どもは、人とのやりとりの中でことばを学んでいきます。動画や音楽、音声などを一方的に流すだけで、人とのやりとりがない状態でことばを身につけようとするのは難しいでしょう。
ことばを学ぶためには次の3つのステップがあります。
STEP1 ことばの発見
そもそも赤ちゃんは、「ことば」というものが何なのか知りません。
「ママが口から出している音は何だろう?」と、いう興味から始まり、「あれで気持ちを伝え合うんだ」ということを、周りの人が話している様子を見ることや、人とのやりとりを通して発見していきます。
STEP2 単語の発見
ことばの概念がわかったら、次に、音を聞き分け、ことばのかたまりを見つけます。
お母さんが「まめ」と言うのと、おじいちゃんがしわがれた声で「まめ」と言うのでは、声としては違うけれども同じことを言っているということがわかるようになります。
声が違っても、「ま」と「め」という音のつながりは、「この丸いモノをさすんだな」ということを自分で見つけていくのです。
STEP3 文法の発見
単語の発見と並行して、文にはルールがあることも発見します。
例えば、「熊が 学校に行きます」「熊は 今日は機嫌が悪い」「熊を 追いかけろ」という文章の主語はみんな「熊」ですが、「熊」は名詞なので、その後に「が」「は」「を」などが付きます。
さらに、「熊る」「熊らない」など、動詞のような使われ方はしないというルールを自然に学びながら、単語を適切につなげて、意味のある文をつくることができるようになっていきます。
こうした3つのステップを踏んで、ある程度の文が話せるようになるまでにおよそ3年かかります。個人差はありますが、3歳ごろには、約1000語のことばを獲得しているといわれています。
母語であっても1日24時間、3年間でようやく3歳児程度に話せるようになるわけですから、そこに母語以外の別の言語を入れてしまうと、母語の習得の時間が減ることになります。1日は限られていますから、別の言語の時間も24時間というわけにはいきません。
実際にバイリンガル(母語と他言語を話す)のお子さんのボキャブラリーは、モノリンガル(母語のみを話す)のお子さんの、それぞれの言語の半分ずつくらいで、二つの言語を合わせてモノリンガルのお子さんと同じくらいだと言われています。
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