全国のパパママに聞きました! 子育ての悩みは何ですか?

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2019/04/06

出典:すくすく子育て[放送日]2019/04/06[再放送]2019/04/13

「子育てで悩んでいること、何ですか?」
番組スタッフが全国各地へ行き、パパ、ママの悩みを聞いてきました。
その数、848件!
その中から、悩みが多かった上位10の悩みをランキング形式で紹介します。

専門家:
大日向雅美(恵泉女学園大学 学長/発達心理学)
大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学)

「子育ての悩みはなんですか?」10位〜7位

社会の人たちのマインドが子育て世代に寄り添う必要がある。

解説:大日向雅美さん

10位の「こんな環境で育てるのは大変」が気になりますね。
近年、社会全体が子育て支援の制度を整えていてはいますが、ママやパパにしっかりと届いてないということでしょう。制度はある程度できたものの、社会全体の人々の気持ちが追いついていないのだと思います。
例えば、子どもが騒ぐと「しつけができていない」と言われる、集合住宅で子どもが歩くと階下の人に文句を言われる、保育園を作ろうとすると周辺の住民に反対される……。
これからの課題は、社会の人々のマインドを子育て中のママやパパにどれだけ寄り添わせることができるかだと改めて思います。

子育てにたった一つの正解はない。

解説:大豆生田啓友さん

8位の「助けて!イヤイヤ期」、本当に大変ですね。急に何でも「イヤ!」と言われるようになって、「私の子育てのしかたが悪いのかな」「きっと何かいい対応のしかたがあるはずだ」と悩むママやパパも多いようです。
育児雑誌やインターネットなどでいろいろな対応が紹介されていますが、実際に試してみてもなかなかうまくいかないものです。9位の「みんなと違う?わが子の発達」や7位の「子どもとのかかわり方がわからない」などもそうですが、わが子とほかのお子さんを比べたり、どこかに正しい子育ての方法があるはずだと思ったりすることもあるでしょう。見つけたはずの対応がうまくいかず悩みが深まることもあるかもしれません。
子育てにはたった一つの正解はありません。あれこれ試して、「うちの子、こうしてみたらうまくいった」「うちの場合はそれでもうまくいかない」「じゃあ、今度はこうしてみよう」と試行錯誤することです。
「なんだかうまくいかないのよ」など、素直に言えるようになるとずいぶん楽になりますね。

「子育ての悩みはなんですか?」6位〜4位

ここからは全国のパパ、ママのお悩みの声と共に紹介します。

6位 子どもをどこに預ければいいの?

預け先についての具体的な悩みとしては、保育所や病児保育の不足など、さまざまな悩みがありました。

岩手県「去年の2月、3月ぐらいから申し込んでいても1年たっても保育園に入れない。かなりのストレスです」
北海道「自分の体調が悪く子どもを預けたいときなどに、すぐにサポートしてもらえない環境なので、不安がとても大きい」

5位 叱り方がわからない

叱り方については、怒りすぎや、しつけとの境界線などに悩んでいる人が多いようです。

東京都「怒りすぎちゃったと思うことがよくあります。いつも通りに怒ってもなかなか聞いてくれないときは、どうしたら鬼のように怒らなくても伝わるのだろうと悩みます」
愛知県「うちの子は結構落ち込むタイプなので、子どもによってその子に合う叱り方がありそうだなと思います。でも、優しく冷静に話しても全く聞いてくれません」
熊本県「好奇心が強く、大人がしてほしくないことや、してはいけないということをします。どんなしつけをしていけばいいのか、今すごく悩んでいます」

4位 仕事と子育て 両立が難しい

子どもが最優先と思ってはいるけれど、仕事との両立が難しいという声が多くありました。

富山県「今でさえ時間が足りないのに、仕事を始めたときにどうすれば生活が成り立つのかとても不安です」
岡山県「私が仕事の間は、ずっと妻がみてくれています。生活と自分のこと、家族と仕事のバランスのとり方はすごく悩みです」
富山県「毎日やりがいある仕事をさせてもらっています。子どもが最優先ではありますが、会社で『子どもが一番です』という気持ちでは働けない。本気で仕事をさせてもらっているなと思うので、自分の頭の中を切り替えてやっているようで大変です」

ママがリフレッシュすれば、元気に子どもと向き合える。

解説:大日向雅美さん

子どもは、家庭や親だけ、ましてママだけでは絶対に育てられません。6位の「子どもをどこに預ければいいの?」のように、専業主婦のママも本当に苦しんでいらっしゃいます。
仕事をしているいないにかかわらず、「自分の体調が悪い」など子どもを預けたい理由はたくさんあります。また、理由がなくても、子どもから離れて息抜きすることも必要です。
最近は、理由を問わない一時預かりを歓迎する子育て支援の団体もずいぶん増えています。
「美容院に行きたい」「友人とゆっくり話をしたい」など、ママだって自分の時間が必要です。ママがリフレッシュすれば、元気になって子どもと向き合えるのですから、それはむしろいいことです。そういう人たちが多数派になれば、今はためらっているママたちもきっとついてきてくれるはずです。

さらに、4位の「仕事と子育て 両立が難しい」にも関係がありますが、保育園に入れないことも解決しなければならない問題ですし、保育園に入ることができても乳幼児期は熱を出すことが多く、病児保育がないと仕事を急に休まなければならなくなります。
働いて子どもを育てることは、人として当たり前のことなのに、社会が追いついていないようです。
仕事にやりがいを感じているのはすばらしいことです。それでも、「小さい子にはママが一番」「ママが子どものそばを離れてはいけない」という声もまだ聞こえてきます。ママたちはどうすればいいのでしょうか。
周囲の心ない声に振り回されないでほしいと思います。

周囲からのプレッシャーで叱り方が難しくなっている。

解説:大豆生田啓友さん

「叱り方がわからない」が5位に入っていますね。
みなさん、「しつけをちゃんとしなくちゃ」と、とても悩んでいらっしゃいます。
散歩をしていてお花を摘んだら通りすがりの人に怒られる。電車に乗ってちょっと靴で座席にあがったら「親のしつけがなってない」と言われる。
周囲から「親がちゃんとしつけるべきだ」というプレッシャーを感じて、パパやママは怒りすぎてしまうこともあると思います。
その上で、「感情的に怒ってはいけません」「ほめて育てましょう」とインターネットなどで目にすると、「私、怒ってばっかりだわ」と落ち込んでしまう方も多くなると思います。
ママ一人だけでしつけを全てしなくてはいけないわけではありません。周りにいる大人が一緒に子どもたちを見守り、育てていきたいものです。

「子育ての悩みはなんですか?」3位〜2位

3位 ワンオペ育児でパンク寸前!

夫の仕事が忙しく、日中だけでなく夜もほぼワンオペで子育てをしている人が増えています。

兵庫県「日頃、夫の帰宅が遅いので、ほぼ一日中ワンオペです。子育てについて深く話し合いをする時間もありません」
熊本県「ちょうど子どもが生まれたころに地震があったので、やっぱり一人だと不安です」
岡山県「美容院に行きたいなとか、銀行や市役所でゆっくり用を足したいなとか、一人でお茶でもしたいなというときに、親きょうだいが近くにいないので、それが叶わないのがしんどいと思う時があります」
大阪府「出産前に引っ越してきたので友達も周りにおらず、夫が仕事の間は子どもと二人きりの生活。息が詰まって私がパンクしちゃったので、最近は支援センターの職員の方にいろいろとお話を聞いてもらって悩みを解決しています」

少なくともママの日々の大変さを理解し、感謝すること。

解説:大豆生田啓友さん

共働き家庭が増えてきたにもかかわらず、子育てや家事はママが中心的にやるという考え方からなかなか脱せていないという現状があります。
一方で、パパたちの仕事が忙しいのも実態としてあると思いますが、多くのママたちが求めていることの一つとして、少なくともママが日々していることをちゃんと理解し、そのことに感謝することが必要だと思います。

パパに必要なのは「一緒に人生を生きていこう」という姿勢。

解説:大日向雅美さん

妻が一番求めているのは、「一緒に人生を生きていこう」という姿勢です。
オムツを換えて、お風呂に入れればいいわけではありません。さらに言うと、今のワンオペがつらいだけではないのです。ママがつらいのは、「5年、10年先の私の人生にあなたは関心を持っているの?」ということです。
今、全てを妻に覆いかぶせて、子どもが中学生、高校生になったとき、「もう手が空いただろ、君、これから何するの?」と言うような夫では一緒にやっていけない。そういう問題がワンオペに含まれていることを忘れてはなりません。
男性から「育児をしたい。もっと妻との時間がほしい」と声を上げて、ざんげをこめて先頭に立つべきだと思います。

2位 これでいいの?きょうだい育て

ケンカや、上の子、下の子それぞれへの対応が難しいなどの悩みがありました。

岩手県「ケンカの仲裁をどうしたらいいか悩む。上の子と下の子の気持ちをそれぞれうまく汲んで、子どもたちも納得して私もスッキリできる解決を知りたい」
岡山県「親は平等にほめているつもりだけど、妹はお姉ちゃんの方がほめられていると泣くことがある。これまで意識していなかったけど、接し方を考えたいと思います」
福岡県「家事をしていて、上の子が『だっこ』と言っていると『待ってね』と言うのに、そこで下の子が泣くと、ぱっと抱き上げてしまう。上の子は我慢させたのに下の子を優先してしまう」
熊本県「きっと上の子をケアしてくださいって言われると思うんですけど、でもどうしても下の子にも愛情があるので、親としての感情が整理できない」

きょうだいげんかは鴨の味。「まあ、いいか」と気楽に考えて。

解説:大日向雅美さん

きょうだいは性格も違うし、当然けんかもします。同じように接しているつもりでもなかなかそうはいきません。
いろいろと親が介入して上手くいかなかったら、ある程度放っておいたり、子どもに任せてみたりすることも必要です。多少のけんかやもめごとなどは、「まあ、いいか」ぐらいの気持ちで接してもいいと思います。
子育てで大変な中、きょうだいに公平に接しよう、子どもを傷つけてはいけない、と一生懸命考えるのは大変です。
「きょうだいげんかは鴨の味」と昔から言われるように、けんかしたり仲直りしたりすることも、かみしめればいい味になるものです。常に公平に正しく裁く必要はないと思います。

一人で複数のきょうだいを見るのは大変。パパも理解を。

解説:大豆生田啓友さん

きょうだいの子育てについての悩みの背景にも、やはりママが一人で子育てをしているという状況があります。きょうだいをどうやってお風呂に入れるのかという話も多い悩みです。その状況をまずはパパが知り、ママの大変さを分かち合うことが大切です。

「子育ての悩みはなんですか?」1位

1位 悩みがつきない 子どもの食事

離乳食や食事のマナー、好き嫌いなど、さまざまな悩みの声が聞かれました。

京都府「離乳食の進め方がちょっと難しい」
大阪府「離乳食、何を食べさせようかな、調理法どうしようかなと悩む」
熊本県「泣いた状態で食べさせることが多い。もっと笑って楽しく食べられるようにしたい」
岩手県「途中で飽きてお皿をひっくり返したり物を投げてしまう」
福島県「料理がすごく苦手なので、ちゃんと食育していけるかすごく心配」
岡山県「食べる量が少なくて、あげてもなかなか食べない」
東京都「お肉やお魚以外はほとんど食べなくなってしまって、栄養のバランスがとれているのか心配。一生懸命作ったのに食べてくれないと、すごくショック。小さい時からこの習慣でいいのかと、親としての責任をすごく感じる」

1位「悩みがつきない 子どもの食事」は、悩みを全て集約したもの

解説:大日向雅美さん

10位から2位までの悩みを全て集約したものが、1位の「悩みがつきない 子どもの食事」だと言えると思います。
食事自体の困りごとも、もちろん悩みの一つではあるものの、「子どもは親が、特にママが一人で正しく育てなければならず、その結果、よく育つのもそうでないのもママの責任だ」という誤解に陥りやすいのも食事なのです。
昔は助けも多く、気負わず自然にできていた子育てですが、少子化になり、社会の期待も背負い、良い子を正しく育てなければならないというプレッシャーが食事に現れているのだと思います。
例えばママが「自分の時間が欲しい」「整体に行きたい」と言うと、周りがどう思うか心配になります。しかし、「この子の成長、発達を考えて、食で悩んでいます」ということは悩みとして話しやすいということもあると思います。
もちろん食事に関しては深刻に悩んでいますが、「ワンオペで苦しい」「パパが手伝ってくれない」ということよりも言いやすく、皆にそのつらさを受け取ってもらえそうだという空気もあると思います。これは本当につらいことです。
子育てにはさまざまなつらさがあることを、平場で正直に言えるよう、周囲の理解も、子育て支援もさらに進めていかなければならないと思います。

「子育ての悩みはなんですか?」11位〜20位

ほかにも、たくさんのお悩みがあました。その中から、11~20位のお悩みを紹介します。

11位 子どもの性格
12位 赤ちゃんの泣き
13位 親のイライラ
14位 夫婦での育児観の違い
14位 悩みはない
14位 トイレトレーニング
17位 自分のための時間がない
18位 子どもの睡眠
19位 親の体力の低下
20位 子どものともだち関係
20位 メディアとのつき合い方

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