【アンケートまとめ】“子育て家族の防災”実態調査③ 防災・避難Q&A
すくコムで実施した「家庭での防災対策」アンケートには、防災や避難について、さまざまな疑問が寄せられました。
家庭での防災について考える企画、第3回はみなさんからの疑問に育児情報番組「すくすく子育て」「まいにちスクスク」でご紹介した内容からお答えします。
【専門家】 汐見 稔幸さん(東京大学 名誉教授 教育学) 倉石 哲也さん(武庫川女子大学 心理・社会福祉学科教授) かもん まゆさん(スマートサバイバープロジェクト) 国崎 信江さん(危機管理アドバイザー)
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“子育て家族の防災”実態調査① 災害への備え できていますか?
“子育て家族の防災”実態調査② 「これがあってよかった!」被災経験者の声
地震発生!まず何をすればいい?
小さい子どももいるので、抱きかかえて玄関に向かうのがいいのか、まずは揺れがおさまるまで待ってから行動するべきなのか…
(静岡県 いわぼん)
0歳と3歳がいるので、母ひとりの時に被災した場合がとても不安です。避難が必要な場合でなくても、まずすべき事など段取りがわからず焦るだろうなあと思います。
(愛知県 凛)
とるべき行動は、どこで地震にあうかによって違ってきます。料理中
料理中なら、可能であれば火を消してすぐにキッチンから離れましょう。食器棚や包丁、ガスコンロなどがあり危険です。外出中
外出中なら、手荷物で頭を守り、広い場所に移動しましょう。特に、ブロック塀や自動販売機などの転倒、看板などの落下物に注意しましょう。運転中
運転中なら、ハンドルをとられる危険があるので、急ブレーキはしないことです。 ハザードランプをつけて、道路の左側に停車し、揺れがおさまるまで待機しましょう。 避難する場合は、緊急車両が通るとき、車を移動させることができるように、キーは付けたままにします。連絡先をメモに残し、貴重品や車検証は持っていきましょう。エレベーター
エレベーターに乗っていたら、すべての階のボタンを押し、停止した階で降りて避難しましょう。 ★揺れがおさまったら3つのチェック チェック①正確な情報 次の行動を決めるために、テレビ、ラジオ、携帯アプリなどで正確な情報を集めましょう。停電しても情報が得られる、電池式のラジオなどがよいでしょう。 チェック②ケガの有無 大地震のとき、110番や119番しても救急車や緊急車両はすぐに助けに来ることができません。 出血時に応急処置ができるグッズを準備しておくことをおすすめします。 チェック③家の中 余震に注意しながら「窓やドアは開くかどうか」「水道や電気は通っているかどうか」を確認しましょう。火災を防ぐため、ガスの元栓を閉め、電気のブレーカーを切っておきます。 (かもん まゆさん) ★大地震が起きたら集合住宅では水を流さない 排水管が壊れている可能性がある場合、水道を使うと下の階に水漏れすることがあります。大規模な地震が起きたら、集合住宅では破損の有無がわかるまでは決して水道の水を流してはいけません。水を使わない簡易トイレを用意しておきましょう。また、オムツやペット用の砂を使ってトイレの代用にしてもいいでしょう。 (国崎 信江さん)
自宅以外で被災したら?
(青森県 るいまま)
子どもと出かけているときに被災した場合、どのように行動するべきなのか、とっさの判断ができるか不安です。
(埼玉県 ちろる)
日ごろから、子どもと一緒に近所を歩いて、避難場所を確認しておきましょう。 こうしたマークのあるコンビニやガソリンスタンドは、災害時に徒歩で帰宅する人たちの支援拠点になっています。知っていると役立ちますよ。 (かもん まゆさん)
防災リュックには何を入れておけばよい?家庭での備蓄は?
こちらの記事を参考にしてください。
親子で地震対策(2)地震がくる前にしておく備え
防災リュックの置き場所は?
(新潟県 もっち)
念のため防災バッグは用意してあるのですが、どこに置いて置くのがベストなのかわかりません。
せっかく購入したのにタンスに眠っていて…。
(兵庫県 ちっちゃん)
防災リュックはすぐに持ち出せるように、玄関に置いておくといいですよ。 寝室の枕元にはホイッスルや懐中電灯、安全に逃げ出すための靴やスリッパを用意しておきます。 (かもん まゆさん)
家の中の安全対策は?
(群馬県 ふうまま)
部屋の中にモノを置かないスペースを作りましょう。 ここなら安全という場所を作り、揺れを感じたら、そのスペースに移動するように習慣づけるといいですよ。 2階建ての家はなるべく2階に寝るようにして、寝室に家具は置かないようにしましょう。 また、ドアの周りや廊下、階段など、逃げ道にはモノを置かない方がいいですよ。 (かもん まゆさん) 部屋の中にはなるべくものを置かないこと。家電製品は耐震ジェルマットなどで固定するといいでしょう。冷蔵庫には扉開き防止ストッパーをつけて、中身の飛び出しを防止。食器棚などのガラス戸にはガラス飛散防止フィルムを貼っておきましょう。棚板に滑り止めシートを敷くと食器が滑り出しにくくなります。 【マンションの安全対策】 マンションなど集合住宅では、戸建てと違う心得が必要です。高層マンションでは、地震のときに家具などが高速で移動するので、机の下に隠れても机と一緒に動いてしまって危険。固定されている丈夫なものにつかまったほうが安全です。 (国崎 信江さん)
災害発生時に家族がバラバラ!どうする?
(神奈川県 くりぼ)
共働きで職場は別々で、娘は保育園に通っているため、被災した際に家族全員がバラバラであることが想定されるため、集合するまでに時間がかかりそうなのが不安です。
(神奈川県 ゲンキ)
家族で定期的に防災ミーティングをしておきましょう。避難経路や、家族の集合場所、連絡方法や安否確認の方法を事前に決めておくとよいでしょう。 また、家族と離れているときに地震が起きて、連絡がとれないと不安です。毎朝、家族それぞれの1日の予定を共有しておきましょう。 (かもん まゆさん) 保育園では、児童福祉法により、月1回の避難訓練が義務付けられています。日本にあるさまざまな組織の中で、一番避難訓練をやっているのは保育園と言えます。保育園を信頼して、自分の命を守ることを最優先にしてください。 (汐見 稔幸さん)
携帯電話が通じないときは、どうする?
(青森県 さなまま)
災害後は通話規制が入り、電話がつながりにくい状態になります。携帯電話各社が提供する「災害用伝言板」などを利用して、家族の安否を確認しましょう。 災害用伝言ダイヤル「171」は、30秒のメッセージを最高10件、48時間保存してくれるサービスです。「171」は、毎月1日や防災週間などに体験利用ができますので、一度試しておくことをおすすめします。 (かもん まゆさん) <171の体験利用日> ・毎月1日と15日 ・正月三が日 ・防災週間(8月30日午前9時~9月5日午後5時) ・防災とボランティア週間(1月15日午前9時~1月21日午後5時)
避難所に行くべき?自宅にとどまるべき?
(大阪府 たまも)
家が地震に耐えられるか。子どもが小さいと避難所暮らしは難しいと思うのでなるべく家で暮らしたい。
(東京都 らぶりママ)
避難所には、イライラしたり不安になっている人たちが集まっています。赤ちゃんが泣いたら、一斉に見られるなど、とても安心して子どもとお母さんがいられる場所ではなかったといいます。そういう意味では、私がおすすめしているのは、避難所に行かない準備です。 震度6の地震がきても、耐震基準を満たしている家であれば倒壊する恐れはありません。小さい子がいるご家庭は、避難しなくてもいいように自宅に備えを始めるのがいいと思います。 ご自宅が耐震基準を満たしているかどうか、一度専門家に確認してもらうといいですね。 (かもん まゆさん) ※ご自宅の耐震基準が不明な場合や津波等の危険がある場合は、避難してください。
子どもの食事、どうすればいい?
(神奈川県 ゆみいいい)
子ども用にレトルトの幼児食を備蓄してはいますが、足りなくなった場合に、大人用の非常食をどのように幼児に与えればいいのか知りたいです。
(東京都 まい)
すぐに食べられるベビーフードが底をついてしまった場合、普通の缶詰でも簡単に離乳食を作ることができます。グリーンピースはすりつぶすだけ。ペースト状のコーンなどは、温めればすぐに食べさせることができます。ツナなどは、できるだけ塩分・油の少ないものを選びましょう。 (国崎 信江さん) 東北で被災したママから「避難所で、子どもがお腹すいたと言うから、準備していた乾パンをあげたら、いつも食べているものと違うので食べられなかった。」と聞きました。これまで、乾パンを食べさせたことがなかったそうです。 備蓄をする食べ物は、子どもが食べられるもの、元気がでるものを準備しましょう。非常食は子どもに試食してもらって、口に合うかどうか確かめておくことも大事です。 (かもん まゆさん)
近所付き合いがなく、いざというとき不安…
(東京都 はなび)
地元に親しい人間が少なく、何かあったときに情報交換がうまくできないのではないか。
(神奈川県 ひとけた)
難しいことだと思うのですが、実際に被災すると自分がどうなってしまうのかを考えてみてください。おろおろしたり、ビクビクしたり、頭が真っ白になったり・・・。いつもは機敏に動けるのに、動けなくなってしまう可能性があると思います。そんなときに、助けになってくれるのは周囲の人たちです。 普段から、あいさつするなどして、地域や周囲の人たちとのつながりを作っておきましょう。 (倉石 哲也さん)
▼【アンケートまとめ】“子育て家族の防災”実態調査
① 災害への備え できていますか?
② 「これがあってよかった!」被災経験者の声
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