【すくすくまとめ】子どもに伝わる”言い換え術”

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子どもが、なかなか言うことを聞いてくれないとき、カッとしたり、イライラしたりすると思わず出てしまう言葉ってありますよね。でも、いまいち伝わっていないような…?そんなとき、子どもの心に響く声がけのヒントを育児情報番組「まいにちスクスク」でご紹介した内容からまとめました。

専門家:井桁 容子(保育士)
「早くしなさい」「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」といった、普段子どもに対して何気なく使ってしまう言葉。しっかりと子どもに伝わっているのでしょうか。
今回は、言葉を理解できるようになった3歳前後の子どもによく伝わる「子育てコトバ」を考えます。

片付けのとき…「早くしなさい!」

子どもに散らかしたおもちゃの片付けを促しても、なかなか片付けてくれないときに言ってしまう言葉ですよね。これは、日本のママが一番よく言ってしまう言葉です。

<言い換え術>
先を見通せ、具体的な映像が見える言葉がけを。子どもが次の行動を起こしやすくなります。

「片付けが出来たら、次はおいしいごはんを食べようね」
「お片づけが終ったら公園に行こうね。どんなお花が咲いているだろうね」
「時計の針が6のところにきたら、ごはんができるから、それまでに片付けてね」

 
時間がかかっても、子どもが片付けの本当の意味を理解することが大切です。「片付けておくと次に使いやすいよね」と、具体的に伝えることを心がけたり、「おもちゃが大切なモノ」であることをきちんと伝えたりしてあげましょう。

ごはんのとき…「ちゃんと食べないと大きくなれないわよ!」

子どもがご飯を食べ進めてくれないときに、言ってしまう言葉ですよね。

<言い換え術>
食べないことに対して、「心配している」というママの気持ちを伝えてあげましょう。

「いっぱい食べたら、パパみたいに大きくなれるよ、楽しみだね」
「お熱が出たりしたときに、食べたにんじんさんが応援してくれるんだって」
「お腹に入ってないと応援してくれる人がいなくなっちゃうから、食べてくれないとママ心配だな」

 
子どもは、食べないと心配なママの気持ちがわかることで、「叱られるから仕方なく食べる」ことは無くなると思います。子どもを叱るのではなく、ママの気持ちを伝えるようにしてください。

ごはんのとき…「せっかく作ったのに食べてくれないと悲しいな」

子どもが食べ残してしまったときや、食べ進めてくれないときに言ってしまう言葉ですよね。

<言い換え術>
子どもはママの言葉に敏感です。子どもの興味をひく言葉で食事に誘ってみましょう。

「このごはん、おいしい魔法をかけてあるのに残念だな~」
「ママが子どものときに大好きだったおかずを作ってみたんだよ」

 
そのようにすると、子どもも「ごはんを食べたい」という意欲がわいてくることもあります。

また、食事に対して、少しユーモアのあるイメージ付けをすることもオススメです。

「おいしくなる魔法がかけてあるから、魔法がとけないうちに食べないともったいないよ」
「にんじんのお父さんと赤ちゃんが手をつないで待っているよ」
「じゃがいもおじさんが歌を歌って待ってるよ!」

 
実は子どもは、ママが「ご飯を食べてほしい」と思っていることを知っています。そのため、ママがおもしろくしようとしてくれたら「それなら食べてもいいかな」と、子どもはママの努力を認めてくれます。
子どものごはんにはとても手間をかけているため、食べてくれないとママも悲しい気持ちになりますよね。しかし、だからといって食べることを子どもに強制させてはいけません。
幼児期は、さまざまな味になじむ時期で、出されたものを全部食べることが大事な時期ではありません。
この時期は、食事を嫌いにさせないことが大切です。

友だちと一緒のとき…「『ごめんなさい』は?」「『ありがとう』でしょ?」

子どもが友だちとおもちゃの取り合いになって、友だちに手をあげてしまった、あるいは、おもちゃを貸してもらったときなどによく使ってしまう言葉です。

<言い換え術>
相手の子に対して、ママが声をかけ、友だちの気持ちも、自分の子の気持ちも代弁してあげましょう。

「ごめんね、びっくりしたね、でも素敵なものに見えたみたい」
「貸してもらえてうれしかったね、ありがとう」

 
子どもたちは、気持ちを言語化できなくても、言葉を聞いて理解することはできます。ママが子どもの気持ちを代弁することで、子どもは次に似たような状況になったときに、自分の気持ちを言葉で表現できるようになります。
思ってもいないのに「ごめんなさい」を言わされてしまうと、子どもにとって自分の思いを押し込める存在が「友だち」ということになり、友だちなんかいないほうがいいということになりますよ。
また、子どもには、「ニコッと笑う」「友だちの頭をなでる」といった、言葉ではない「ありがとう」の表現もあります。そのため、お礼を急がせるのではなく、少しの間、子どもの様子を見てみることも大切です。

電車の中で…「いい子にしてて!」

電車に乗っているときに、子どもが「もう降りたい」などと騒ぎ出したときに言ってしまう言葉ですよね。子どもにはよく意味がわからないかもしれません。

<言い換え術>
こういうときの子どもへの言葉で、大切なことは3つあります。

(1)理由を伝える

「大きな声を出すと、静かにしていたい人は耳が痛くなるよ」
「足をブラブラさせると、前の人に当たってズボンが汚れちゃうよ」

 
「いい子にしてて」と言うことは、「理由」や「状況」ではなく、「ママの期待に沿った行動をしなくてはいけない」ということだけが伝わります。

(2)見通しが分かる言葉をかける

「あと2つ駅を過ぎたら、降りられるよ」

 
次の行動をイメージできれば、子どもも我慢ができます。

(3)電車に乗っていることが楽しくなる言葉をかける

「次の駅は面白い名前の駅だよ」
「もう少ししたら見える大きな建物は、○○を作る工場だよ。」

 
子どもに、電車に乗ることは我慢してじっとしているだけでなく、おもしろい要素がたくさんあるということを気づかせてあげることが大切です。


▼子どもの行動にイライラしたら…こちらの記事も参考に
どうしたら子どもにキレないでいられますか?

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