親子で一緒にお菓子づくり、そしてお料理のお手伝い。
子どもは「やりたい!」「お手伝いしたい!」って言うけれど…。
「準備や後片付けが大変…」「うちの子、どんなことができるの?」「危なくないかな?」「すぐに飽きちゃうし…」
どうすれば楽しくできるの?お菓子づくりやお手伝いで、子どものどんな力が伸びるの?
幼稚園や保育園で子どもの食育に携わる管理栄養士の太田百合子さんに、お菓子づくりやお手伝いを通じて子どもの成長を引き出すヒントを、教えていただきます。
管理栄養士。「こどもの城」小児保健クリニックで長きにわたり、乳幼児の栄養指導を行う。現在は、大学非常勤講師、講習会講師、育児雑誌などの監修を務める。NHKの子育て番組でも、親しみやすくわかりやすいアドバイスに定評がある。
お手伝いは“遊び”のひとつ。子どもの力がグングン伸びる!
「子どもの力を伸ばす」というと、知的教育を思い浮かべる方も多いかもしれませんがむしろ逆です。今、心配なのは、日々の生活の中で人とふれあいながらいろいろなことを体験できる場が少なくなっていること。日常生活は実体験の宝庫です。なかでも、お料理やお菓子づくりは、楽しみながら子どものたくさんの力を伸ばしてくれます。
ママのまねっこしてみたい!パパと一緒にやってみたい!
子どもたちが伸びるときに一番大切なのは「やってみたい!」という意欲。
逆に言えば、「やってみたい!」は、子どもの力が伸びる大きなチャンスです。
親子でお菓子づくりや料理を通して試行錯誤したり、おしゃべりしたりしているうちに、集中力、観察力、発見する力、探究心、創造力など、数え切れないほどの力が次々に生まれます。
最初から難しいことをやらなくていい。最後までずっと集中している必要もありません。
準備も片付けも遊びの一環です。
無理のない範囲で、「子どもが楽しめる状況」を演出してあげてください。
何歳でどんなお手伝いができるの? 年齢別アドバイス
ここからは、おおよその年齢を目安に、どんなことができるか、どんな声かけや関わり方をすれば良いかをご紹介します。今回は、ホットケーキミックスを使ってのホットケーキづくりを例に見ていきましょう。
3歳(年少)のころ
好き嫌いや自己主張がはっきりと表れるこの時期、大切にしたいのは「子どもの興味」です。
「どうして?」「これなあに?」そんな問いかけにどんどん答えてあげましょう。答えを言わなくても、一緒に考えたり、試したりすることが考える力を伸ばします。「牛乳はどこにあるかな?」「そのホットケーキミックス持ってきて」など、質問したり、お願いしたりしながら関わりましょう。
まだ集中力も30秒~数分ほどしか持ちません。誰かがしていることを横からじっと観察しては、他のことで遊び、また近寄ってきて見る。最初から最後まで無理してやらせようとは考えず、やりたそうにしているときに触らせてあげたり、手を持って一緒にやったり、大人がしていることを横で見せるだけでも十分。
途中で飽きても、気にしない。生地が焼けてきたときに、「ほら、プツプツしてきたよ!」と声をかけると、飛んできてじっと観察するでしょう。子どもは新しいこと、面白いことへのアンテナはいつもフル回転なんです。
どんな時期?
- 好き嫌い、自己主張がハッキリする。
- 集中力は30秒~数分が限界。
お手伝いのポイント
- まずは興味を持ったことを見せる、手伝わせる。
- 材料を持ってくる、材料を洗う、など簡単なことから。
- 無理に最後までやらせようとしない。大人が手を持って一緒にやる、見せるだけでもOK。
- ささいなことでも子どもがやってくれたら「ありがとう」。“もっとやりたい”という気持ちが強まる。
- ホットケーキミックス、卵、牛乳などの材料を大人に手渡しする。
- 大人といっしょに材料を混ぜてみる。
- 大人の作業の様子やホットケーキが焼ける様子を見守る。
4歳(年中)のころ
人とのやりとり、協力を楽しみながら、相手の気持ちがわかってくるころです。「やりたい!」「自分でできる!」そんな気持ちも育ってきます。
一方で、初めてのことにはドキドキ緊張するものです。なかなか自分から手を出さないときにも、「自分でやりたいって言ったでしょ」などと追い詰めず、「どれどれ、一緒にやってみる?」「最初はやってみるから見ていてね」など、優しくリードしてあげてください。
そろそろ自分で卵も割れるかな?違うボウルに割ってみれば、失敗しても大丈夫。できたときには思い切り褒めてあげてください。自分がやったことで誰かが喜んでくれた、それが自信につながります。
子どもが自分で頑張ろうとしているときは、手も口も出さず、見守りに徹しましょう。
この頃になれば、お買い物で「卵のパックはどこに売っているかな?」と探してもらうのも楽しいプロセスです。
どんな時期?
- 人とのやりとりや協力が楽しくなる。
- 「誰かのために」何かをすることに喜びを感じる。
- 手首や指を器用に使えるようになる。
お手伝いのポイント
- 思い切り褒めてあげることが子どもの自信につながる。
- 子どもが自分で最後までやろうとしているときは、じっと見守る。
- 卵を割る、材料を混ぜるなどの動作をひとりでやってみる。
- 買い物に行ったお店でホットケーキづくりに必要な材料を探す。
5歳(年長)のころ
この頃になると、ひと通り任せることもできるようになります。責任を持ってやりたいお年頃です。
「ホットケーキを作るためには何を準備するのかな?」とたずねると、「卵と牛乳!」「あ、牛乳を買いに行かなくちゃ」など、先を考えて行動できるようになります。
生地にプツプツと穴が空いたとき、いつひっくり返すかを自分で判断して、フライ返しでひっくり返すこともできるようになります。トッピングを考えることで創造力もふくらみますね。
5、6歳になると、栄養のこと、食べることと体を作ること、いいうんちを作るにはどんなものを食べればいいかなども理解できるようになります。料理のお手伝いや食事のなかで、ぜひ、食にまつわるいろいろな話をしてあげてください。新しい興味がどんどん広がっていくはずです。
どんな時期?
- 責任を持って何かをやりとげたいという気持ちが生まれる。
- 計画を立てて実行できるようになる。
- 過去の経験をふまえた判断ができるようになる。
お手伝いのポイント
- やれそうなことは、任せてみる。
- お菓子づくりや料理の計画段階から一緒にやってみる。
- ホットケーキづくりに必要な材料を考え、買い物に行き、材料をそろえる。
- ホットケーキをひっくり返すことにチャレンジする。
- ホットケーキがよりおいしそうに見えるトッピングを考え、やってみる。
子どもの育ちを発見するチャンスにもなる!
お菓子づくりや料理のお手伝いを通して、子どもの力が伸びるだけでなく、大人が子どもの育ちを発見することもできます。
ただし、どこまでできたかチェックするのではなく、今、どんなことに興味があるのか。どんなことをやってみたいのか。何を面白いと思うのか。そういうことに注目してみてください。
無理して毎日お手伝いをさせることはありません。余裕があるときに、ちょっとだけ。月に一度でも十分です。ぜひ親子で楽しい時間を過ごしてくださいね。
お子さんと一緒のホットケーキづくりには、混ぜやすくふんわりと焼きあがる「森永ホットケーキミックス」がぴったり。 卵不使用なので、卵アレルギーのお子さんがいらっしゃるご家庭、卵を与えるのはまだちょっと控えたいと考えているご家庭でも、安心して使えます。
ホットケーキを親子で一緒に作ると心の発達に影響が?!
森永製菓株式会社「森永ホットケーキミックス」が、白百合女子大学の田島信元教授と発達心理学に関する共同研究を行った結果、「親子で一緒にホットケーキを作る・食べるという共同作業は、親と子それぞれの心理的成長を育む」ことが明らかとなりました。
一般的な調理に比べ、ホットケーキ作りは、全工程に子どもが参加しやすいというメリットがあります。生地を作り、好きな形に焼くことができるので、小さい子どもも“科学遊び”のような気分で楽しめると考えたのです。実際の調査で、全国の約500人の親御さんのアンケートを分析したところ、ホットケーキ作りを経験した 親子は、全く調理経験がない、もしくは一般調理のみ経験したことがある親子に比べ、子どもの社会的能力 (人と付き合う力)、知的能力(分析、判断力)、そして達成感(自信)において、高い数値を示したのです。 さらに親の育児力なども伸び、相乗効果が期待できるという結果に。忙しくても調理という家事を通して、 子どもとの時間も共有できるので、一石二鳥だと思います。週末などに一緒に作ってみると良いでしょう。