ぼくは、どこからきたんだろう?
なんでわたしには、おちんちんがないの?
素直に「どうして?」と思える時期だからこそ伝えたい、「性」の話があります。今回は、大切な性について、やさしく教えるのにふさわしい絵本を紹介します。
子どもの「性」の入門書におすすめ
なぜこの世に男女がいて、愛し合うのか。おとなでもうまく説明できない難問を、ギリシャ神話をもとにした、夢のあるストーリーで解き明かすのが『ふたりのはなし』です。
読めばきっと、いつか誰かを愛することが楽しみになるでしょう。「性」を知る入門書、初めての性教育絵本としてもおすすめの1冊です。
読み終わったらぜひ、ママとパパがなぜいっしょにいるのか(壮大なストーリーがある人もいるかもしれませんね!)、男女にかぎらず、大好きな人といっしょにいることの喜びを、たくさん伝えてあげてくださいね。
(あらすじ)
昔々、背中でくっついていた男と女が、あるとき神様に分けられて・・・なぜ人間は愛し合うようになるのかを、神話を通してロマンチックに伝えます。
また、シリーズで刊行されている、『ぼくのはなし』『わたしのはなし』は、プライベートゾーンの大切さなど、伝えづらいからだの話もわかりやすく説明しています。合わせて読むと、性への理解がより深まります。
出版社:童心社
セックスのこともごまかしなく
人間が、どこからどうして、どんなふうに生まれてきたのかを、“赤くなったり口ごもったりしないで、本当のことを教えるのは難しい”と前置きしたうえで始まるのが、『ぼくどこからきたの?』です。
セックスがどんなものなのかという詳細まで描写されていますが、ユーモアいっぱいの挿絵と、絶妙な言葉えらび(翻訳は詩人の谷川俊太郎さんです)に支えられ、あたたかく素直な気持ちで読むことができるでしょう。自分のルーツを、ごまかしなく丁寧に知ることができる作品です。
『ぼくどこからきたの?』
作:ピーター・メイル
絵:アーサー・ロビンス
訳:谷川 俊太郎
出版社:河出書房新社
(あらすじ)
どうして赤ちゃんは生まれるの? すべての親が直面する子どものこの問いかけに、楽しい挿絵とやさしい言葉で的確に応える絵本です。
性をこえた「個性」の尊さを考える
男女の違いや性について伝えるとき、ぜひ合わせて読んでほしいのが、『じぶんだけの いろ』です。
性を見つめることは、自分を見つめることでもありますね。
1匹のカメレオンの葛藤をとおして、「自分ってなんだろう?」という問いに、やさしく寄り添うこのお話。男の子・女の子といった性を超え、多様であることの意味を、考えさせられる作品です。
『じぶんだけの いろ』
作・絵:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
(あらすじ)
カメレオンはひとつの悩みを持っていました。どうしてほかの動物のように、自分の色がないのだろうか? 自分の色を探し求めるカメレオンは、もう1匹のカメレオンと出会い…
「からだってフシギ」から始まる性教育
さいごに紹介するのは、性を知るうえで欠かせない、からだのフシギにせまる『からだ ドックンドックン・・・』。心臓からスタートし、血管、血液、呼吸器、消化器、泌尿器、筋肉や骨、神経、そしていのちを紡ぐために欠かせない生殖器まで。部分的ではなく、からだ全身を旅するように読むことができます。
「からだってフシギだな」と思うことから、性への理解は始まるのかもしれません。からだの素晴らしさを知ることで、自分のこと、相手のことを大切にできるおとなに成長してほしいと願います。
『からだ ドックン ドックン・・・』
文・絵:ナムーラミチヨ
監修:聖路加看護大学からだ教育研究会
出版社:赤ちゃんとママ社
(あらすじ)
子どもには、からだの旅。おとなには、からだの科学。小児科医、看護師、助産師などの「からだについて知ってほしい」という想いから生まれた、からだの全部に触れられる全身絵本です。
小さな子どもにこんなことを教えていいの?と、性教育をためらうママやパパもいることでしょう。まずはおとなが絵本を手に取って、「性」をどんなふうに知ってほしいか、考えてみるとよいかもしれません。すべてを理解するのはまだ難しくても、絵本を通して、親子で性について語り合うことに、大きな意味があるのではないでしょうか。
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