子どもを狙った犯罪や事件、心配ですよね。そこで、子どもが自分の身を守るために今からできることを、安全教育のエキスパートの清永奈穂さんに教えていただきます。
今回は「きっぱり断る」です。
講師: 清永奈穂(NPO法人 体験型安全教育支援機構 代表理事) 小さいころから、危ないことに気がつく力、乗り越える力をつけましょう!
あやしい人を、どう見分ける?
あやしい人を見分ける方法を「はちみつじまん」ということばで覚えます。
お子さんと一緒に覚えてください。
【は】はなしかける人
知らない人なのに、何かとしつこく“話しかけてくる人”。
【ち】ちかづいてくる人
理由もなく、どんどん“近づいてくる人”。
【み】みつめてくる人
道の端や物陰から、じっと“見つめてくる人”。
【つ】ついてくる人
どこまでも、いつまでも“ついてくる人”。
【じま】じっとまっている人
あなたを、車や自動販売機などの陰で“じっと待っている人”。
【ん】ん?と注意
「ん?あれ、あやしいな」と思ったら、注意しましょう。
あやしい人に声をかけられたらどうする?
あやしい人が声をかけてきた場合、子どもはどう対処すればいいのでしょうか。
実際に、「あなたのパパが病気で病院に運ばれたの。ママに頼まれたから車に乗っていこう」と話しかけられたという事例がありました。「いきません」と断って、車には絶対乗らず、その場をすぐに離れましょう。
このように、優しそうな人が、ことばたくみに子どもを誘ってきます。きっぱり断ることができるように、返事と対処のしかたを、子どもと一緒に練習しておきましょう。
返事と対処のしかた
「ジュースを買ってあげる」→「いりません」 「ちょっと、ちょっと」→「急いでます」 「犬を探して」→「大人のひとに聞いてください」 「ママが病気。私はママの友だち」→「家に帰って確かめます」
ことばだけでなく、顔を後ろに向ける、距離を置くなど、拒否する態度をしっかり示すことも必要です。
赤ちゃん連れのとき、声をかけられたらどうする?
赤ちゃんを連れていると、かわいい赤ちゃんを見て、声をかけたり、だっこや写真を求めたりする人もいます。
例:だっこをしようとする 「かわいい子ですね。こんにちは。ちょっとだっこさせてもらえるかな。かわいいですね」
こちらが嫌な顔をしても、ぐんぐん近づいてきて、強引にだっこしようとする場合は、「すみません、急いでいるので」と断って、刺激しないように離れましょう。
例:写真を撮ろうとする 「すみません。かわいいお子さんだから、写真撮ってもいい? すごくかわいいので、1枚だけ」
写真を断っても聞いてくれないようなときは、子どもの顔を背けて、「ちょっと泣いちゃうかもしれないので」と断って、さっと離れましょう。
このように、「泣いちゃうので」「人見知りなので」「急いでいるので」など、相手に失礼のないような、さりげない断り方をいくつか用意しておき、子どもの顔を相手から離すようにしましょう。
信頼できる顔見知りを作る
声をかけてくる人が、みんな悪い人なわけではありません。ふだんから、近所の人と挨拶をするなど、“信頼できる顔見知り”を増やしておくといいですね。
嫌なことは「イヤ」と言えて、身ぶり手ぶりで表現することが大切です。
小さな勇気をもって「きっぱり断る」練習をしておきましょう。
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